猿猴捉月

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えんこうそくげつ


画題

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解説

画題辞典

猿猴捉月は仏教の譬喩より来る。僧祗律に曰く、「仏、諸の比丘に告ぐ、過去世の時、波羅奈城に五百の猿あり、樹下井中に月あるを見て 共に樹枝を執り、手尾相接して共に入り月を取る、枝折れて一齊に死す」と、之より妄に大望空想を抱くものを諷するの意味に用いられ、古来好画題となる。

黙庵筆(秋元子爵旧蔵)、雪舟筆(秋元子爵所蔵)、啓書記筆(近衛公爵旧蔵)、海北友松筆(京都金地院所蔵)、久隅守景筆(溝口伯爵所蔵)、久隅守景筆(横山男爵所蔵)等はその一、二の作例に過ぎず。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

が樹上より手と手を繋ぎ合せて、水中に映る月影を捉へんとする図で、仏典に出づ。

止観輔行云、祇律第八云、仏在王舎城諸比丘為調達羯磨、乃至仏告比丘過去世時、空閑処有五百獼猴、遊行人間、有一尼枸類樹、樹下有井、井有月影猴主見己語、語諸伴言、月死落井、当共出之令諸世間破於暗冥、諸獼言云、何能出、主云、我知出法、我捉我尾汝捉我尾、展転相連、乃可出之、諸獼皆従、纔欲至水、猴重枝弱枝折堕井。

と、古来好画題として画かるもの極めて多い、主な作を挙げる。

黙庵筆    秋元子爵家旧蔵

雪舟筆    同

啓書記筆   近衛公爵家旧蔵

海北友松筆  京都金地院蔵

狩野常信筆  藤田香雪斎氏旧蔵

橋本雅邦筆  窪田惣八氏旧蔵

久隅守景筆  横山男爵家蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)