C2-2勾当内侍と新田義貞の出会い

「東錦昼夜競」「勾当内侍」
絵師:楊州周延 判型:大判錦絵
出版:明治19年(1886)
所蔵:個人

【解説】
「東錦昼夜競」は、芳年と並び活躍した周延による全50枚のシリーズである。神話時代から江戸時代にかけての歴史故事や伝説を題材している。
北条家が退治された直後の秋の夜、内裏の警護を担当していた新田義貞は、御簾を巻き上げて琴を弾いていた勾当内侍を見てその美貌に心を奪われてしまう。その後、義貞は勾当内侍に「わが袖の涙に宿る影とだにしらで雲ゐの月やすむらん」(訳:あなたを恋い慕って涙にぬれる袖に月の光が照り映えているが、このわが思いを空に澄み輝く月は知りもしない。)という歌を送る。その場面を描いている。
(平)