「第四 来世の忠義」「関三十郎 中山兵太郎」
絵師:有楽斎長秀 判型:細判合羽摺
上演:寛政後期(1800)
所蔵:立命館ARC 作品番号:arcUP0726.
【解説】
長秀は京都の絵師で、合羽摺の第一人者であるとされており、役者絵や美人画を長く描き活躍した。
この作品では、切腹を命じに来た石堂右馬之丞と、すでに覚悟して聞く塩冶判官と、そのやりとりを聞いている顔世御前の姿が描かれている。原作では、切腹の前に顔世御前を花にたとえた「花籠の段」があるが、歌舞伎では省略されることが多い。この後判官は切腹するのだが、その死体に顔世御前は抱き着き泣き崩れる。
ここから顔世御前の判官に対する一途な愛情が見て取れる。(林)
【参考文献】
「浮世絵鑑賞基礎知識」
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