ゑほんの絵
2018年12月11日~2019年1月19日(於:立命館大学アート・リサーチセンター)に開催の「ゑほんの絵」展オンライン展示です。
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ごあいさつ

 アート・リサーチセンターは開設20周年を迎え、立命館大学の代表的な研究所に成長しただけでなく、日本、さらには世界にも知られる情報学と人文科学を融合したデジタル・ヒューマニティーズの研究拠点として高い評価を受けるようになってきました。
 その一つの活動に海外の美術館・博物館の収蔵品のデジタル・アーカイブがあります。その対象となる欧米の美術館・博物館の日本部門に収蔵される文化財、美術品の代表には、浮世絵がまず頭に浮びますが、それと併せて忘れてはいけないものに、「絵本」があります。日本の絵本は、浮世絵と同じ精巧な技巧によって印刷・製本された、世界の絵本の中でも最も美しいものとして高く評価されているのです。
 そのため、浮世絵と同様、幕末の開国以来、多くの作品が欧米のコレクターに渡り、博物館、美術館におさめられてきたため、現在では、その優品のほとんどが海外に出てしまいました。
 幸いなことに、アート・リサーチセンターでは、収蔵する林美一コレクションや藤井永観文庫にいくつかの優れた作品を有し、かつ上述したデジタル・アーカイブ活動の関連研究において、運良く数々の近世・明治期の絵本を入手することができました。
 私たちのプロジェクトにおいてデジタル化した、大英博物館を代表とする著名な博物館の収蔵品や、Ebiコレクションや中井家コレクションを代表とする個人コレクションのいくつかも、自由に研究利用が可能な条件で、WEB発信されており、アート・リサーチセンターの所蔵品と、デジタル化した作品の画像を使えば、立派な絵本展が「日本」でも開催できることに思い当り、今回の展覧会を企画し、開催に結びつけることができました。
 なお、本展は、本学文学部文化情報学専修文化芸術ゼミの学生諸君が作品の選定・解説に参加し、文学研究科の文化情報学専修の院生の協力をもって完成させました。
 末筆になりましたが、作品の出品にご協力をいただきました中井陽一氏、Ebi氏、学内では、平井嘉一郎記念図書館に、心より御礼を申上げます。

主催者