近世期に絵本の意味や範囲が拡大していく以前、絵本とは「絵を書く手本となるもの」、つまりは絵手本だった。絵手本としての絵本の語は古くから文献の中に見られるが、江戸期にはいっても、この意味での絵本が数多く出版された。ほぼ同じ意味の語に「画譜」があり、絵本が大和絵の流れにあるのに対し、画譜は中国の影響下に生まれたものである。このコーナーでは、絵手本と画譜のいくつかを紹介したい。
近世期に絵本の意味や範囲が拡大していく以前、絵本とは「絵を書く手本となるもの」、つまりは絵手本だった。絵手本としての絵本の語は古くから文献の中に見られるが、江戸期にはいっても、この意味での絵本が数多く出版された。ほぼ同じ意味の語に「画譜」があり、絵本が大和絵の流れにあるのに対し、画譜は中国の影響下に生まれたものである。このコーナーでは、絵手本と画譜のいくつかを紹介したい。