2017年8月29日の京都新聞朝刊(丹波版)に「篠の窯復元、須恵器制作へ」と題して、「ガレリアかめおか」が主催している小型三角窯の復元実験の様子が紹介されました。木立も参加しています。

http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20170829000022

新聞に紹介された通り、実験は順調に進んでいますが、雨が多いため、完成した窯はなかなか乾きません。

2017年8月18日に完成した窯の状況確認をしたところ、天井が乾いていないだけでなく、窯内の窪んだ部分に雨水が流れ込んでたまっていました。排水水を作って窯内に水が溜まらないように工夫しました。また、天井にトタン屋根をかけて、雨が直接当たらないようにしました。トタンをかければ天井の乾燥を止めてしまいますが、今年は雨が多いため、苦肉の策をとりました。そのかわり、内部から強制的に乾燥させるため、七輪の炭火で今後一週間ごとに炙ることにしました。これから、しばらく乾燥の状況を確認します。

また、2017年8月18日には、現地で須恵器の製作実験も行いました。窯焚きを10月に予定していますが、その時に焼成する須恵器を大量に製作する必要があります。それをどのようにして作るのか、木立が復元した須恵器製作技法を紹介し、陶芸家の皆さんから意見を伺いました。清水志郎氏が持参された木製の伝統的な手回しロクロを使用しましたが、電動ロクロや現代の鋳物製手回しロクロとは大きく異なり、惰力が小さく、すぐに止まってしまいました。須恵器のロクロとその技術については、まだ未解明な部分がありますから、その問題を考える上で大変参考になりました。

陶芸家の方々で窯詰めする須恵器製作の役割分担を決めましたが、木立研究室では焼台を作ることになりました。現地の粘土を持ち帰り、8月24日~26日に粘土を練り、現在、現地粘土の焼成実験を行って収縮率を確認中です。

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8月18日 窯内に溜まった水を排水している様子

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同・七輪の炭火で強制乾燥している様子

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同・須恵器 杯の箆起こし実験の様子(手回しロクロは清水志郎氏所蔵品)