八村広三郎 教授

八村教授

【専門領域】
元々の専門は工学で画像情報処理の分野ですが、大学院を出て最初の就職先が、国立民族学博物館であったことから、人文科学におけるマルチメディア技術の応用という分野に長くかかわっています。本学情理工学部に移ってからも、コンピュータグラフィックス、バーチャルリアリティ技術を人文系の研究に利用するという観点で研究しています。99年ごろから、モーションキャプチャを使った無形文化財のデジタルアーカイブの研究を開始し、最近はその延長として、祇園祭バーチャル山鉾巡行システムの研究をしています。

【著書・論文】
八村広三郎, 田中弘美編『デジタル・アーカイブの新展開』ナカニシヤ出版, p.342, 2012年3月 Worawat Choensawat, Sachie Takahashi, Minako Nakamura, Woong Choi, and Kozaburo Hachimura, Description and Reproduction of Stylized Traditional Dance Body Motion by Using Labanotation, 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, Vol.15, No.3, pp.379-388, 2010.

DH06_book.jpg 『デジタルアーカイブの新展開』

【最近の研究テーマ】
無形文化財のデジタル・アーカイブ、祇園祭のバーチャル山鉾巡行、仮想巡行体験、古典籍の画像解析、類似画像検索 など

【指導した大学院生の修士・博士論文】
Worawat Choensawat, Integrated Dance Body Motion Archiving Using Dance Notation and Motion Capture (理工学研究科・博士論文) 2011

【所属学会/受賞歴等】
情報処理学会、電子情報通信学会、画像電子学会、日本バーチャルリアリティ学会、芸術科学会 など

【専門領域での推薦学術書】
Schreibman, Siemens, and Unsworth, A Companion to Digital Humanities, Blackwell Publishing, 2004. Cameron and Kenderdine, Theorizing Digital Cultural Heritage: A Critical Dicourse, MIT Press, 2007

【大学院志望者へ一言】
長い間、人文学の研究対象は紙に書かれた文書や記録、書物、絵画などが中心でした。最近ではこのような資料類、各種の文化財などが画像技術を使って精密にデジタル化され、ネット上で公開されて多くの研究者がこれを利用することができるようになりました。これがデジタル・ヒューマニティーズという考え方を生む原動力になっています。今から20年後の世の中を考えると、人文学の研究もデジタル技術を今以上に活用するものになっていることは間違いありません。新しい人文学へ挑戦する人を求めています。