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    「春画を見る・艶本を読む」展

国貞裁判

昭和35年(1960)に有光書房(代表、坂本篤[1901-1977])から林美一(1922-99)の研究書第一作である『艶本研究国貞』が出版される。本書は店頭で販売される並製本と仕掛け絵を施した特装本の二種類が作られた。公刊本の並装本はもちろん、特装本においても全ての図版に修正が施されている。特装本は三百部限定で、住所氏名の判っている購入者のみに販売された。
当時の艶本や好色本の翻刻には、取締を防ぐために性的な表現を含む文章を削除していたが、この特装本には翻刻の伏字部分を「参考資料」として付けていた。不特定多数に販売される並製本にはこの附録はなく、希望者があっても渡すことはなかった。しかし、特装本の附録として作られた「参考資料」が猥褻文書とされ、後には研究書自体も猥褻図書として「猥褻文書販売」および「猥褻図書販売」の罪で摘発される。
裁判は13年かかり、有罪判決となり、出版社に罰金10万円、林美一に5万円が科された。

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