虫の目で見る
補修作業の中で繕いをすることが多いのですが、
本紙に皺ができてしまうと、しわ伸ばしをします。
ボードで本紙を挟んで、板を置き、その上に重石をのせて圧します。
ところが、業者さんが来られたときに、そのボードが目に留まり
注意されてしまったのです。「そのボードからは有害なガスが出ますよ」と。
こんな死んだようなボードからガスが出る!?
私はそのことにびっくりしてしまいましたが、
なんでも、ボードに入っている古紙のインクなどから出るらしいのです。
大変恥ずかしいことに、本紙に悪影響を与えるものを密着させていたということになります。
マイクロスコープで140倍に拡大してわかりました。
こんなにいろんなものが入っていたのですね…。
一見グレーなのに、カラフルすぎて衝撃を受けました。
反省します。
そういうわけで、これからはこれ→を使います。
その業者さんに教えてもらった特殊製紙の中性紙アーカイバルボードです。
フラットニングの方法と材料を変えて、これで資料も一安心。
おもしろいので、ついでにいろんな紙を見てみます。
これは何でしょう? 茶封筒です。
虫はいつもこんな風に見えているのでしょうか。
私より虫のほうが断然物知りかもしれません。