星の文様と聞くと、どのような形を思い浮かべますか。まずは直線で構成された五芒星、あるいは六芒星を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、紋帳をみてみると円形を集めた家紋を「星」と呼んでいることがわかります。図の右上に掲載された家紋は「丸に六つほし」、右下は「かさね六つほし」という名称で紹介されています。
染物でも小さな丸のことを「星」と呼ぶそうなので、キョーテックコレクションの型紙から五芒星、六芒星の形、そして小さな丸の形が使われている「星」にまつわるデザインをご紹介したいと思います。
まずは「三つ星」と松葉のようにも動物のようにみえる型紙をご紹介したいと思います。三つ星は「錐彫」という半円形に整えられた彫刻刀を型紙におしあて、それを半回転させて非常に小さな円を彫刻する技法によるものです。小さな円同士の距離はバランスがとれているので、小さな円が三つずつまとまり、三角形を構成しています。また、松葉か動物の形にもみえるモチーフは「道具彫」と呼ばれるさまざまな形に刃先が整えられた彫刻刀を使用して彫刻されたと考えられます。三つ星とバランスをとるように配置されていますし、全体に小柄で丸みを帯びているデザインなのでかわいらしい印象を与えてくれます。
まずは「三つ星」と松葉のようにも動物のようにみえる型紙をご紹介したいと思います。三つ星は「錐彫」という半円形に整えられた彫刻刀を型紙におしあて、それを半回転させて非常に小さな円を彫刻する技法によるものです。小さな円同士の距離はバランスがとれているので、小さな円が三つずつまとまり、三角形を構成しています。また、松葉か動物の形にもみえるモチーフは「道具彫」と呼ばれるさまざまな形に刃先が整えられた彫刻刀を使用して彫刻されたと考えられます。三つ星とバランスをとるように配置されていますし、全体に小柄で丸みを帯びているデザインなのでかわいらしい印象を与えてくれます。
最後にご紹介する型紙は、六芒星の内部がさらに直線によって区切られてデザインされている型紙です。
この型紙を見ていると、「麻の葉文様」の型紙が思い浮かびました。麻の葉文様の中心部だけを切り取ると、六芒星になります。二つを比べてみても、縦横斜めの直線の引き方は同じなのですが、周囲の直線をなくしてしまうことにより、六芒星にもなるのです。ほんの少しの違いですが、全く違うデザインに見える のではないでしょうか。
六芒星の形は、「突彫」と呼ばれる刃先を鋭く、薄く整えた彫刻刀を型紙にあて、上下に動かしながら彫刻する技法によるものでしょう。こちらの型紙は型紙が多く彫り抜かれて、紙が細く残る箇所も多いので、非常に細かな作業であったと思われます。地紙を細く残すデザインは、幅が均一でないと完成したときにびつになってしまいます。細い線ですが、幅が均一になるよう、細心の注意を払いながら彫刻されたのではないでしょうか。
一方、六芒星の周辺は三角形の中を錐彫によって小さな円を彫刻しています。こちらは、星の箇所と比べると、地紙が多く残っているので、型紙全体としても型紙を多く彫り抜く箇所と残す箇所がバランス良く配置されています。彫刻の方法、彫刻する地紙の割合などを変えることによりデザインの工夫がされています。また、星の周辺にある三角形を眺めていると、さらに45度ほど傾いた六芒星がみえてくることに気がつきましたか?突彫で彫刻された星の周囲に錐彫で彫刻された星がさらにデザインされていたのです。かたちを工夫して配置することで、デザインとしての面白みも増しています。
「星」とひとくちに言っても、さまざまな形やデザインがあります。また、表現する方法を変えることにより、まったく印象が違う型紙がつくられてきたことがわかります。
参考URL 立命館大学ARC所蔵寄託品 浮世絵データベース