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2007年10月 2日

第1回GCOEセミナー(赤間亮)

「日本文化研究のグローバル化とデジタル・ヒューマニティーズ」
【発表のまとめ】
本発表では、文化研究の急速なグローバル化の中、地理的隔たりを意識せずに日本文化研究の情報を共有化する必要性が増大している点を確認し、海外の研究者の研究レベルに対する日本側研究者の偏見を払拭すべきことを述べた。具体的な例として、浮世絵研究をとりあげたが、確かにこうした事例として浮世絵研究は典型的な対象であるものの、これ以外の海外ではまったく無視されているものもあり、グローバル化とデジタルヒューマニティーズの関連が必ずしも必要ないのではないかとの意見があった。しかしながら、日本学研究の進展の中で、ステレオタイプな文化研究はむしろ時代遅れとなり、海外研究者が広い視野に立って日本人が気づいていない研究分野を開拓している事例を説明した。

発表の記録

コメント(1)

當山日出夫 : 2007年11月15日 19:49

まだ誰もコメントしなようですので、まあ、私からひとこと。

赤間先生の最初のご発表の趣旨とは、すこしずれるかもしれませんが、ARC
で開催のポール・ビニー氏の作品展、および、11月10日の講演会は、非常に興
味深いものでした。

特に、板木(版木)を彫ることの実演は、なかなか見ることができないもので、
貴重な経験でした。「職人」の世界を実感した次第です。

彫りの職人さんは、彫刻刀を研ぐことから始まる、ということ。さらには、幅
が1ミリ以下の細いものについては、自分で作る。今は、工業用のミシン針を
砥石で研いで、自作する。このようなことは、文献ではなかなかわからないこ
とであると思います。(では、江戸時代の職人はどうして道具を作っていたの
だろうと、という疑問がうかんできます。)

浮世絵というと絵画・美術という側面が強調されがちですが、版木に注目する
と、工芸品になります。木材の加工技術、まず、桜の木を平らな板に加工でき
ないといけない。さらに、それを彫っていくための、道具・・・金属材料・加
工の技術が、必要になる。

その上に、刷りの段階になれば、染料・顔料などの、製造技術が加わります。

これらのいろんな側面を同時に多角的見ていくことが、浮世絵や近世版本の研
究に、新たな領域を開拓していくことになるでしょう。というよりも、今後は、
総合的な視野から見ていく必要があります。工学の視点が、重要になってきま
す。

また、ポール・ビニー氏講演会での、外国の方々の積極的な姿勢にも、やや驚
いたところです。講演会や後の懇親会でも、日本語よりも英語の方が、多く使
われていたように感じました。浮世絵研究で、日本は既に遅れているというこ
とを、実感しました。

當山日出夫(とうやまひでお)

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