• 木立研究室


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2011年3月19日

和鏡工房の民俗調査

IMG_0392.JPGIMG_0375.JPG    2月25日、3月3日、3月18日、伝統的な和鏡を製造している山本合金製作所工房で和鏡、とくに魔鏡の見学・調査を行いIMG_0385変更2.jpgました。山本合金製作所は平安時代から続く真土型の技術を伝えていえます。一般的にはあまり評価されていませんが、鋳造業は京都の伝統工芸のなかでは別格に古く、そのことは発掘調査でも明らかにされています。京都の伝統工芸を代表する産業と言ってよいでしょう。山本合金製作所は京都に残された最後の鏡鋳造工房であり、先代が魔鏡を復原したことでも有名です。文学部京都学プログラムの研究資料・教材製作も兼ねて、和鏡・魔鏡の研磨作業を見学させて頂きました。

2011年3月19日

五条坂・藤平陶芸の桟板民俗調査

IMG_0237.JPGIMG_0236.JPG 2010年12月13日、続き、2011年2月22日に藤平陶芸が所有する桟板の民俗調査を行いました。浅見五郎助氏から古い桟板の資料提供を受けたことをきっかけに、五条坂で使われた桟板の寸法を計測し、「五条坂」全体の共通部分を検討することを目的としています。桟板とは、製作途中の器を乾燥させたり移動したりするために使われる板です。

   京都は貸し窯制度が発展したため、桟板は単なる乾燥台ではなく、登り窯への運搬道具としても重要です。町家の狭さと合わせて、京都の桟板は他の産地と比べて小さいのではないかと想定されます。今回はその基礎資料を得るためにも計測を行いました。概ね、浅見窯・藤平窯ともに共通する寸法をもっていることを確認できました。今後は他の窯や他の産地との比較検討を進める予定です。

2011年3月19日

五条坂で販売されていた磁器人形の調査

IMG_0046.JPGのサムネール画像   2011年2月22日、五条坂・かわさき商店で大量の色絵磁器人形が残されていることを確認し、調査させて頂きました。かわさき商店の4代目は「旭亭」を名乗って陶磁器を生産していましたが、その作品が道仙化学製陶所の発掘調査で出土したため、その関連調査として聞き取りを行う目的で伺いました。その際に6代IMG_0076.JPG目が販売していた磁器人形がデットストックとして保管されていることを知り、見せていただいたところ、400個を越える色絵磁器人形等を確認しました。6代目は主に瀬戸・美濃の焼物を取り扱っておられましたから、これらの人形類にも瀬戸・美濃の製品が含まれていると思われます。なお、現ご当主で8代目の河崎尚志氏は、かつて清水門前で販売されていた「錦人形」が含まれているのではないかと考えておられます。確かに清水門前の古写真では「錦人形」の看板が確認されますが、これについては、京焼研究者からも民俗学研究者からも十分な研究がなされておりません。残念ながら、製作年代を直接示す資料は確認できませんが、題材などから明らかに戦前に遡ると思われる資料も含まれています。かわさき商店のご協力を頂き、今後、研究の死角になっていた「錦人形」の掘り起こしを行う予定です。

2011年3月19日

五条坂・道仙化学製陶所事務所跡の片づけと資料調査

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2010年12月より2011年1月にかけて、道仙化学製陶所事務所跡の調査を行いました。事務所跡は職人長屋の一角にあり、発掘調査を進めてきた道仙化学製陶所窯跡とともに、陶磁器製造の歴史を示す、貴重な歴史的景観を形成しています。五条通りに面して重厚な町家作りの店兼社長の自宅、路地を入った奥には職人長屋、さらに奥には窯や工房の空間が拡がっています。路地奥へ侵入すると、まるでタイムトンネルを抜けているのかと錯覚を起こすほど、かつての景観が極めてよく残されており、奇跡的な空間といえます。これらの歴史的景観を保存活用する計画を入江太津治氏ご夫妻が懸命に模索されているため、私たちも京都建築専門学校の佐野先生を初めとする方々とともに協力させて頂き、事務所の片づけや資料の搬出などの作業に協力しました。文学部歴史考古学ゼミの学生・院生が活躍してくれました。

 

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また、入江氏に全面的に協力していただき、事務所に残された資料の調査を開始しました。その結果、これまでの調査で想定していた窯の最後が昭和37年ではなく昭和43年であることなど、多くの貴重な事実が判明しつつあります。また、貸し窯の実態を示す貴重な資料を発見することができました。大量に残された資料の検討は今後も継続的に行っていく予定です。なお、資料の調査にあたっては文学部社会人学生OB石川晃氏・一島政勝氏から専門知識を生かした協力を受けています。

 

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