• 日本文化研究班


2008年4月 1日

2008年度の研究計画(概要)

日本文化研究班は、本拠点の特徴の一つである京都文化研究班の研究フィールドをより広くとらえ、とりわけ海外との連携、あるいは比較文化の視点による日本文化研究を推進する。基本の手法は、それに関る資料のデジタル化とWeb上での運用にあり、デジタル化された資料を海外の研究者と共有することで、これまで不可能であった国際的な共同研究を推進するデジタル・ヒューマニティーズの先駆的な事例となることを目指している。テーマの詳細は↓

(1)「「外地」日本語文学データベース」プロジェクト
 東アジア・東南アジア圏の日本語文学に関する文献資料のデータベース化と、それに基づく国際共同研究を目的とする。戦前期に「外地」で刊行された日本語文学雑誌の目録作成、貴重資料のアーカイブ化を行い、また韓国・中国の日本文学研究拠点とシンポジウムを開催し、資料の共有化による日本語文学研究の国際的な展開を推進する。
(2)「デジタル技術を用いた比較考古学」プロジェクト
 GISならびにデジタルアーカイブ技術を応用した比較考古学。日韓共同研究プロジェクトが推進される。縄文・弥生移行期の日韓比較、古墳時代の対外交渉と歴史的意義、仏教文化成立期における対外交流など、デジタル技術と研究成果が有効にリンクした成果蓄積を図る。
(3)「伝統芸能資料アーカイブ」プロジェクト
 アート・リサーチセンターに蓄積された膨大な古典芸能資料について、国内外の研究組織と連携してデータベース化ならびにデジタル活用を図り、デジタルアーカイブによって、世界規模の研究基盤整備と研究推進ができることを証明する。コーネル大学GloPAC(そのうち、特にJPARC)との連携により多言語化し、世界共通のプラットフォームを確立したい。
(4)「板本と版画の美」プロジェクト
 版画や絵入古典籍など欧米の博物館・美術館が数多く所蔵する分野の資料に関する共同デジタルアーカイブプロジェクト。海外で所蔵される質の高い資料を高度なデジタル技術で共有化し、海外との情報交換が必須であるのに従来行われてこなかったこの分野の研究基盤の革命を図るものである。また、版木による印刷技術のもとになっている版木や彩色技術の多様性についての新研究を進める。
(5)「日本文芸と美術」プロジェクト
日本文芸と美術の関係について、多国籍の研究者の視点により追究する。テキストと絵画が混在して作品化される日本の作品は、美術・文学両面からのアプローチが必要がである。それぞれが表象するもののコラボレーションを読取ることが必要で、これも国際的な資料アーカイブが背景にあって研究が可能となってきたものである
(6)俳諧資料の系統的研究プロジェクト
 2007年度アート・リサーチセンターに収蔵された俳諧資料について、上記4・5プロジェクトと連携を図りながら、情報公開を進め、俳諧研究における先進的なデジタルアーカイブを実現する。

いずれの研究テーマにおいても、研究活動の中で研究データが日常的に蓄積・データベース化され、リソースそのものがグローバルに共有化されるところに特徴がある。

コメントする








  • 最近のエントリー

  • アーカイブ


新拠点セミナー
GCOEセミナーディスカッション
GCOE運営活動と記録
世界と日本・DH研究の動向
E-journal
21世紀COE成果サイト
研究班紹介動画
リンク集