- 現代に伝わる板木
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高野版
高野版とは、高野山上で刊行された本を指す。その内容はもちろん真言密教関連書が主である。現存最古の高野版は建長5年(1253)刊『三教指帰』であるが、その歴史は平安末期にさかのぼるともいわれる。また、少なくとも江戸時代末期まではさかんに開板が行われており、日本の出版史・印刷史上、極めて重要な位置を占める資料である。高野山特産の高野紙と呼ばれる厚手の楮紙を用いていること、両面摺りの紙を折って各葉を重ね、葉の変り目のノド側を糊付けして冊子体裁とした粘葉装と呼ばれる装幀、質朴な文字・印刷などが高野版の特色としてあげられるが、江戸時代以降は袋綴じの板本もさかんに刊行された。高野山上には約6000枚に及ぶ高野版の板木が現存しており、現在それらは重要文化財に指定されている。今回展示するのは、奈良大学博物館所蔵の板木である。これらは、元は高野山上にあったと思われる板木で、おそらく第2次世界大戦後しばらく経った後、板木が文化財と見なされる以前に、資材として市井に渡ったものと思われる。その後それらは古書籍商の手に渡り、最終的に奈良大学に収蔵されるに至った。高野版には学侶系の板元による寺版、行人系の板元による町版(まちはん)の2種類が存在するが、奈良大学博物館が所蔵する486枚の板木は、後者に分類されると考えられるもので、いずれも江戸時代以降の成立である。
No.04 宿曜経
No.04A 宿曜経 奈良大学博物館所蔵(K0131)
享保21年(1736
巻:序 丁付:乙、二、三、四
縦20.2×横77.4×厚1.7cm
No.04B 宿曜経 立命館ARC所蔵(arcBK01-0086)
享保21年(1736)
大本2冊
No.05 魚山私鈔
No.05A 魚山私鈔 奈良大学博物館所蔵(K0029)
寛保3年(1743)
巻:上 丁付:一、二、三、四
縦25.4×横81.2×厚1.9cm
No.05B 魚山私鈔 立命館ARC所蔵(arcBK01-0091)
寛保3年(1743)
巻:上 丁付:一オ
大本1冊
No.07 野山名霊集
No.07A 野山名霊集 奈良大学博物館所蔵(K0080)
宝暦2年(1753)
巻:巻第三 丁付:卅三、卅六、卅四、卅五
縦22.3×横86.4×厚2.3cm
No.07B 野山名霊集 奈良大学博物館所蔵(K0070)
宝暦2年(1753)
巻:巻第二 丁付:十三、十四、十五、十六
縦22.1×横87.1×厚2.4cm
No.07C 野山名霊集 立命館ARC(桜井コレクション)所蔵(sakBK01-0076)
宝暦2年(1753)
大本5冊
No.08 紙証文板木
No.08A 紙証文板木 奈良大学博物館所蔵(K0229)
縦33.6×横39.3×厚2.5cm
No.08B 紙証文板木 奈良大学博物館所蔵(K0223)
縦34.2×横21.4×厚1.9cm
No.08C 紙証文板木 奈良大学博物館所蔵(K0224)
縦34.8×横22.2×厚1.5cm
No.09 墨書のある板
No.09A 墨書のある板 奈良大学博物館所蔵(K板01)
縦15.8×横95.4×厚0.9cm
No.09B 墨書のある板 奈良大学博物館所蔵(K板02)
縦13.8×横89.3×厚0.9cm
No.09C 墨書のある板 奈良大学博物館所蔵(K板03)
文化11年(1814)
縦27.2×横97.6×厚0.9cm
No.09D 墨書のある板 奈良大学博物館所蔵(K板07)
安永元年(1772)
縦14.6×横74.7×厚1.3cm
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