さころもの哥 さごろものうた
写本、枡形本、1帖、江戸時代

「狭衣物語」の和歌214首を所収し、ほぼ全てに詠者名、一部に詠歌状況を付す。狭衣物語歌集とでも称しうる一本である。さらに、定家詠14首・慈円詠1首を末尾に載せる。尊鎮流の筆である。和歌本文や詠者名・詠歌状況を見ていくと、現在紹介されない異本、そして解釈の存在があったことを思わせる。該本と同じ特徴をもつものは今治市河野美術館蔵本がある。須藤圭「青山会文庫蔵「さころもの哥」についての考察 ―狭衣物語歌集の紹介と意義―」(『立命館文学』611、2009年3月)はこの考察を収める。