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プロジェクトメンバー
ウェルズ恵子 【立命館大学・文学部・教授】 中田 崇 【立命館大学・文学部・助教授】早稲田みな子 【東京芸術大学・音楽学部・非常勤講師】 権藤 千恵 【立命館大学・政策科学部政策科学研究科・博士課程後期課程/ ハワイ大学客員研究員】 |
プロジェクト内容
情報のデジタル化が進んだ現在では、過去のフォークロアとインターネット上のフォークロアを関連させて、 新たなフォークロア像を構築していく必要がある。そのために急務なのが、過去の資料のデジタル化である。 本プロジェクトの活動のひとつは、アメリカにおけるフォークロア資料でデジタル保存が進んでいないもの(たと えば日系アメリカ人の資料など)の保存をすることである。プロジェクト・タイトルはフォークソングの保存をうた っているが、歌に関連する歴史的資料(写真、文献、ポスター、楽譜等)や民俗資料(楽器、衣装等)すべて を保存の対象と考えている。もうひとつの活動は、アメリカ民謡(アメリカン・フォークソング)について、正しい 知識を掲載した教育的なホームページを作成維持していくことである。アメリカのフォークソングは、主要な 現代音楽に大きな影響を与えているために、一般の関心が高い。にもかかわらず、日本ではその文化的コン テンツに対する学問的認識はきわめて低く、正確な知識が容易には得にくい。本プロジェクトの立ち上げたサ イトは、その壁を打ち破ることを目的としている。 日本の現状を鑑みるに、民謡研究とデジタル化技術応用の結びつきが立ち遅れている。少なくとも、一般 社会への働きかけとしては、そうである。アメリカにおいては、博物館レベルの学術的な活動を代表として、 民謡や関連文化のデジタル保存は急速に進んでいる。同時に、そうして保存された文化コンテンツが、商 業ベースでCD化され市場に出回り、映画やテレビで利用されるなどして、「伝播と変容」が目覚しい。本プ ロジェクトが単独で、アメリカに見られるような組織化した保存活動と社会への働きかけをめざすのは無理 だが、今後日本であるべき方向性を示すことはできよう。したがって、本プロジェクトが柱とするものは、資料 に関する学問的知識を増すこと、教育的なホームページの充実、社会への情報発信の3つである。 |