薬玉

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くすだま


画題

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解説

東洋画題綜覧

香のよい薬物を袋に包み、これに蓬、菖蒲、若くは造花などを結びつけ、五色の糸を長く垂れ下げた物、其薬は麝香一両、沈香一両、丁字五十粒、甘松一両、竜脳半両を用ひ、薬玉一聯十二、閏月ある年には十三、袋には錦を用ふるを法とすと云ふ、延喜式に薬玉料菖蒲艾、雑花十棒とあれば、古くは五綵の糸で菖蒲、艾、橘などの薬物を貫いたものと見える、後世に至り、時の花で飾り、又雑花をも糸で作つたので薬物を入るゝこととなつたのであらうといふ、かく種々の薬物を飾つて調へたもの故、薬玉といふといひ、又奇玉の意もあつて邪気を払ひ疫を除く霊ある故に名づけたともいふ、昔は五月五日にこれを臂にかけ、又簾柱などにかけて、悪鬼を払ひ、悪疫を除き寿命を延ぶる具とした、朝廷に在つては五月五日糸所から薬玉を献り、前年九月九日に昼の御座の御帳にかけられた茱萸の嚢及御前に置かれた菊瓶など取払つて薬玉を左右の柱に結びつける、御帳にかけた薬玉は九月九日菊花に取り代へらるゝのであるといふ。  (日本百科大辞典)

我が国では嘉祥二年五月、始めて群臣に薬玉を賜つたこと、史に見えてゐる。

薬玉は美しいものなので、模様図案等に描かるゝもの少くない。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)