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玉藻前御園公服 - 版の履歴
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「玉藻前御園公服」は一番目が玉藻前を中心とした物語である。しかしながら二番目になると玉藻前とは表面的には関らない物語へ話が移る。<br />
この話の舞台は那須野ではなく、紀伊である。また伝説では登場していた三浦之輔、上総之輔が両名ともに登場しない。更に大きな違いとしては道具として、八咫の鏡が登場し、玉藻前と主人公が争奪するという点である。<br />
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「南北と玉藻譚」(『鶴屋南北論集』所収)によれば大まかな梗概は以下の通りである。<br />
<br />
〈三建目〉<br />
紀伊国に怪鳥が双鸞が飛び来る。下野の国の領主那須八郎は田熊法眼の娘藻女と付議をして子供をもうけ、八咫の鏡の紛失の落ち度も重なり浪人している。双鸞探索のための鷹が柳の葉に絡まったので柳が切り落とされそうになっているのを、弓でもって八郎は鷹と柳を救う。柳の木の精霊が乗り移ったお柳が那須八郎を守護する。<br />
下賤の相を滅せんと行者になった鳥羽院は双鸞鳥が狐塚で死ぬのをみて石を打って妖狐の霊鎮めようとする。すると塚の中の瓶から花陽婦人が登場。白亀が双鸞鳥となって飛びたつ。鳥羽院は夫人の美しさに破戒し、宮中に連れ帰る。<br />
<br />
〈四建目〉<br />
平太郎宅の七回忌に呼んだ梓神子にお柳の霊が憑き、八郎と枕を交わしたことを口走る。そこへ八郎の兄安部泰親が玉藻前に畜生の相ありと奏聞した咎で囚人となり帰ってくる。八郎の不義を咎める泰親とその怒りを利用して八郎を切腹させんとする金藤次から八郎を救うためにお柳は法王の頭痛を治そうと約束、柳の木を伐れば平癒すると八郎に教え、自分の正体を明かして死ぬ。<br />
<br />
〈四建目切〉<br />
''那須八郎の家来、横曽根平太郎が八咫の名鏡を持ち来ると、妖狐の霊が現れ、平太郎は我と我が身を切りさいなみ死ぬ。玉藻前が鏡を奪う。''<br />
<br />
〈二番目発端〉<br />
略<br />
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〈五建目大詰〉<br />
花軍の最中に天狗にさらわれた田熊法眼娘藻女が帰ってくる。法眼は花軍によそおえて親王暗殺を企てる。<br />
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鳥羽院と花陽夫人改め玉藻前は玄宗と楊貴妃のごとく振舞う。輔仁親王と鳥羽院は花軍で位争いをする。鳥羽院側が負けるが院は白川法皇をおしこめて親王を遠流する。鳥羽院と玉藻前の痴話喧嘩、藻女は又五郎と夫婦になる。<br />
<br />
法皇の命により名鏡を受け取りに来た八郎を玉藻前は「夜や更けぬ~」の歌でもって不義の罪に陥れようとする。藻女は彼との間の子緑丸を身代わりにすることを申し出、八郎はわが子の腹を割くことを命じられる。<br />
<br />
琴を弾きつつこれを見ていた玉藻前は放心して狐火が現れ妖狐の顔になる。<br />
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鏡を追って御簾の内に入った八郎は鳥羽院に首討たれ鏡は藻女の下に飛び来る。<br />
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藻女は田熊法眼を殺害し、取替え子にあった自分は堀川院の胤であること、八郎親子は戌の年月揃った血汐を薬王樹にそそぎ護摩木となし、妖狐を顕す雲仲子の秘法に必要であったため死なせたのであると言う。鳥羽院は自害を決意し、輔仁親王は後白河院となる。玉藻前は阿部泰親と問答の末祈祷させられ、正体を現して那須の野へ飛び行く。<br />
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'''参考文献'''<br />
『鶴屋南北論集』鶴屋南北研究会編 国書刊行会 1990年<br />
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