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さかき


画題

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解説

東洋画題綜覧

海石榴科に属する常緑の灌木、古来神木として、神に捧げる、本州の温暖な地方四国九州、琉球、台湾にも分布を見、庭にも栽ゑられる葉は長い倒卵形で全線革質、表面深緑色で裏やゝ白味を帯び五六月頃葉腋に二三箇の白い小さい花を開く、東京附近で榊として用ゐるのは、真の榊ではなく『ひさかき』(柃)が多い。

境木の義、万葉集抄五、『さかきといへるは彼木常葉にして枝葉繁ければ、『さかき』と云ふ、さかきはさかえたる木と云ふ也』是れは後の世の榊に就きて考へたるにて、古書に坂樹、賢木など借字したるはあれど、栄又は常緑の意の字に記したるを見ず。賢の字をあてたるは『さかしき』『すぐれたる』意もあるべく又畏き意もあるべし。     (大言海)

この植物の最も早く現はれたのは『日本書紀』『古事記』である、書紀に曰く

有八百万神、取天香久山坂樹祈於天窟戸之事、以来為神木縁木。

霜やたびおけど枯れせぬ榊葉の恋さかゆべき神のきねかも  (古今集)

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)