春の七種

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はるのななくさ


画題

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解説

東洋画題綜覧

春の年中行事の一つ、正月七日に七種の草を摘み粥に入れて食ふ、その七草といふのは『増補題林集』によれば

せり、御行、なづな、はこべら、仏の座、すずな、すゞしろ、これや七くさ

であり、『壒嚢抄』には

芹、なづな、五行、たびらこ、仏の座、あしな、みみなし、これや七くさ

芹、五行、なづな、はこべら、仏の座、すずな、みみなし、これや七くさ

と記してゐる、此の中、五行は御形と同じく母子草であり『たびらこ』は仏の座と同じものであるが、唇形科の草にも『仏の座』といふのがある、但しこれは食用にはならない。これを撰したのは四辻左大臣で、初めて禁中に上つたのは醍醐天皇の延喜十一年正月七日である、但し若菜を供御に上つたこと宇多天皇の寛平二年正月上の子の日といふ事が『公事根源』に記してある、みみな草は石竹科の小草で別名を巻耳といひ、『あしな』は詳でない、すずなは菘と書くが、普通の菜のこと、すゞしろは今の大根である。

これを画いたものに、菊池容斎、宇喜多一蕙の作がある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)