日本演劇論 (L)・芸能文化論 (W)
総合
- 2010年前期:火曜4(7)限 敬学館250教室 担当:松葉涼子
元禄歌舞伎の考証と読解
元禄年間(1688-1704)を中心に、江戸、上方で演じられてきた歌舞伎を対象として、それをとりまく環境、役者、作者、芝居の中身について具体例をあげつつ、その表現方法について考えていきます。併せて元禄歌舞伎と今の歌舞伎との共通点を考えることで、実際の芝居の中身に迫ります。
目標
絵入狂言本、番付、評判記など当時の上演資料の性格を学びながら、それらを読み解く力をつける。絵画資料、文字資料を組み合わせながら「舞台でどのように演じられたか」という実際的な演技方法が組み立てられるようにする。
元禄歌舞伎の特徴
元禄時代は、京都を中心として歌舞伎の一つの頂点を示す。
元禄時代とは?
■作者の誕生。
■名優の誕生。
■芝居小屋。商業演劇としての地位を確立させる。
■役柄の分業。
授業スケジュール
- 進行状況、教室の理解度によって適宜変更します。
4月「元禄時代以前の歌舞伎」
第1回:授業概要・お国歌舞伎から女歌舞伎へ※補助資料を配りました。
第2回:お国歌舞伎から女歌舞伎へ
5月「元禄歌舞伎の開花①」
第4回:野郎歌舞伎~元禄歌舞伎
第5回:地芝居
第6回:近松門左衛門 ※補助資料を配りました。
第7回:坂田藤十郎
6月「元禄歌舞伎の開花②」
第9回:『けいせい仏の原』をよむ(1)※補助資料を配りました。
第10回:『けいせい仏の原』をよむ(2)※補助資料を配りました。
第11回:市川団十郎
第12回:『雷不動北山桜』を読む(1) ※補助資料を配りました。
7月「元禄歌舞伎の開花③」
第13回:『雷不動北山桜』を読む(2)
第14回:『雷不動北山桜』を読む(3)
第15回:まとめ
出席について
出席はとりません。
小レポートについて
芸能の体験談をレポートに纏めて提出してもらいます。
提出されなかった受講生の単位は認められません。
用紙、字数は問いません。
授業終了後に提出するか(その場合受領書を手渡しします)、
メールの添付ファイルにて提出してください。(教員からのメール返信を受領確認としてください。)
最終講義終了後までに提出してください。メールの提出も同様です。
☆トラブルを避けるため、直接提出する方はコピーをとって手元に一部おくようにしてください。
提出先
syoyo.geino■gmail.com(■を@にかえてください)
- 自分の住んでいる地域に伝わる芸能を紹介(歌舞伎、人形浄瑠璃、祭など)
※できるだけ、地方の芸能が望ましいが、ビデオ観賞、および、商業演劇の体験レポートでも可。
- 地域名、役者の人数、歴史、芝居小屋の特徴、いつの公演なのか等をわかる範囲で調査し、レポートにまとめること。感想文にならないようにしてください。
試験について
持ち込みなしの筆記試験を行います。
基礎文献
- 伊原敏郎『歌舞伎年表』第1~8巻(岩波書店、1956-1963年)
- 『歌舞伎評判記集成』第一期(岩波書店、1972-1977年)
- 芸能史研究会編『日本庶民文化史料集成 第五巻』(三一書房、1973年)
- 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館編『演劇百科大事典』(平凡社、1983年)
- 『歌舞伎評判記集成』第二期(岩波書店、1987-1995年)
- 服部幸雄他編『歌舞伎事典』(平凡社、2000年)
投稿者:Ryoko Matsuba:8pro 2010年4月12日 (火) 20:23 (JST)