山の井
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やまのい
画題
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解説
東洋画題綜覧
岩代の国安積の山にあるといふ井戸、都から拐かされて来た女の、此の井戸に投じて世を去つたといふ、哀れな物語が、『古今著聞集』第五に載せられてゐる、曰く
昔、大納言なりける人の、帝に奉らむとかしづきける女を、内舎人なるもの窃みて陸奥国にいにけり、安積の郡あか山に庵結びて住みける程に、男、外へ行きたりける間に立ち出でて、山の井に容貌をうつして見るに、ありしにもあらずなりにける影に恥ぢて
あさかやま影さへ見ゆる山の井のあさくは人をおもふものかは
と木に書きつけて、みづからはかなくなりにけりと、大和物語にしるせり。
大和絵の好画題として画かる。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)