「奇稲田媛命」の版間の差分

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2021年12月7日 (火) 20:13時点における最新版

くしいなだひめのみこと


画題

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解説

東洋画題綜覧

素盞嗚尊の妃、出雲の簸の川上なる脚摩乳、手摩乳の女、その同胞七人まで八岐大蛇の為めに殺され、既にその番となつて危く大蛇の為めに殺されやうとする処を、尊が大蛇を退治した為め一命助かり、尊の妃となつて出雲の国に宮居を営み大己貴神を生む。

是の時に素盞嗚尊、天より出雲国の簸の川上に降到ります、時に川上に唳哭く声あるを聞く故れ声を尋ねて覓ぎ往てましかば一の老翁と老婆とあり中間に一の少女を置ゑて撫でゝ哭く、素盞嗚尊問ひて曰く、汝等は誰ぞや何為ぞかく哭くや、対へて曰く、吾は是れ国神なり、号は脚摩乳、我が妻の名は手摩乳、此の童女は是れ吾が児なり、号〈な〉は奇稲田媛、哭く所以は往時に吾が児に八箇の少女あり、年毎に八岐大蛇の為めに呑まれき、今此の少女且呑まれなんとす、脱免るゝに由なし、故に哀傷〈いた〉むとまうす、素盞嗚尊勅して曰く、若し然らば、汝まさに女を以て吾に奉らむや、対ヘて曰く、勅のまゝに奉らむ、故れ素盞嗚尊、立化に奇稲田姫を湯津爪櫛に為し御髻に捶したまふ、乃ち脚摩乳、手摩乳をして八醞の酒を醸み、并せて仮肢〈さすき〉八間を作ひ、各一口の槽を置きて酒を盛れ、以て待ちたまふ。  (神代紀)

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)