土蜘蛛

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つちぐも


画題

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解説

(分類:武者)

東洋画題綜覧

能の曲名、作者未詳、源頼光の病中に土蜘蛛の精来つて悩ますを、頼光枕辺なる勝丸の名刀を以て斬払ふ、蜘蛛は一旦は其場を逃れて葛城山の巣窟に入つたが、やがて退治されるといふ筋、前シテ僧、ツレ源頼光、胡蝶、後シテ蜘蛛、ワキ頼光の郎等、処、前は京都、後は大和、その一節を引く。

「汝しらずや我むかし、葛城山に年を経し、土蜘蛛の精魂なり、猶君が代に障をなさんと頼光に近づき奉れば、かへつて命を断たんとや、「其時ひとり武者すすみ出で、「其時一人武者すすみいで、汝王地に住みながら、君を悩ます其天罰の剣にあたつて悩むのみかは、命魂をたゝんと、手に手を取り組みかゝりければ、蜘蛛の精霊千筋の糸を繰りためて投げかけ/\白糸の、手足にまとはり五体をつゞめて、斃れ伏してぞ見えたりける、「然りとはいへども「しかりとは云へども神国王地のめぐみを頼み、彼土蜘蛛を中にとりこめ、大勢みだれかゝりければ、剣の光に少しおそるゝ気色を便りに、切りふせ/\土蜘蛛の、首打ちおとし悦びいさみ、都へとくとく帰りけれ。

劇にも『新古演劇十種』の中にこれがあり、総て能楽から脱化し、地に長唄を使つてゐる。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)

くも「蜘蛛」の項を見よ。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)