寝覚物語

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ねざめものがたり


画題

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解説

東洋画題綜覧

絵巻の名、正しくは『夜半の寝覚物語』といふ、もとは幾巻かあつたものであるが、今は残欠一巻のみ伝へられ、秋元子爵家の旧蔵であつたが、現在は横浜の原家の所蔵である、絵と詞と四段あつて春日隆能の筆といはれる、それは、巻末の住吉具慶が模本の奥書に『春日隆能と鑑定申遣候天和二年二月写之具慶』とあるからで詞書に寂蓮法師といはれる、『更科日記』の跋に

ひたちのかみすかはらのたかすゑのむすめの日記也、母は倫寧朝臣の女、傅のとののははうへのめいなり、よはのねざめ、みつのはままつ、みづからくゆる、あさくらなどはこの日記の人のつくられたるとぞ

あつて菅原孝標の女の作であることを記してゐる、古くから知られた絵巻で、巻中切箔など巧みに用ひられ、典雅な装飾風の筆致であり、鎌倉初期の作と称せられてゐる。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)