鉄線花
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てっせんか
画題
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解説
東洋画題綜覧
毛莨科に属する落葉灌木で、鉄線の名はその攀縁性の茎、即ち蔓から来ている、支那では花が蓮に似てゐるからとて鉄線蓮と呼び、日本では蔓のあるために鉄線かづらといふ、葉は対生で複葉三出、小葉は卵形で先端は尖つて居る、初夏の頃葉腋から花梗をぬいて花を開く、直径二三寸で弁は白色、この中に雄蕊が紫色を呈してゐるので美しい、元来、支那の原産であり、寛文八年に日本に渡来したといはれてゐるが、その以前既に狩野山楽によつて京都の天球院の襖絵に此の花が画かれてゐるのを見ると、寛文八年以前に渡来していたものであらう、これによく似た八弁のものを風ぐるまと呼ぶ、鉄線は美しい花であるから、昔は紋所や紋様として盛に描かれ、懐月堂の美人画などには此の花を模様にしてゐるもの極めて多い、紋所にも八重鉄線、うら鉄線、石持に鉄線などがある。
鉄線花を画いた作では山楽の天球院襖絵を先づ第一に挙げねばならぬが、近来、平福百穂、山口蓬春、児玉希望、水上泰生諸家の筆にもある。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)
て
- 手長足長障子