衣縫金継女

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きぬぬいの かなつぐのむすめ


画題

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解説

前賢故実

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河内志紀郡の人。十二歳のときに、父親が亡くなり、彼女の慟哭の切実さが人々を感動させた。三年の喪を服した後、母親が彼女を嫁がせようとしたが、彼女は逃出して父親の墓に参り朝晩泣き続けた。それから、母親は彼女を嫁に出すと言わなくなり、親子二人で住むようになった。父親の忌日になると、精進料理を食べ経を唱え、父の冥福を祈っていた。村の近くに恵賀河があり、冬になると渡りがたいので、彼女は母親と相談して、いろいろな材木を買い集め、仮の橋を作った。人々の往来を助けて十五年以上に達していた。母親が八十歳で亡くなり、彼女は泣き止んだことがなかった。承和八年、三階を叙せられ、田租を免除され、村の入り口では彼女を表彰する旌門が設置された。

(『前賢故実』)