大原女

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おはらめ


画題

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解説

画題辞典

大原女は頭へ薪などを載せて京都近郊より洛中に売りに出る賤女の称なり。高雄又中川郷等よりも出づるも、八瀬大原より出づるもの多きが故に此称あり。裾短かなる黒き衣服、刺繍など施こせる前垂、新らしき手拭、新らしき襷、何れ風雅の趣あるものなれば、四条派の画家又風俗画家など好んで画題となす。

長沢蘆雪の筆(広海仁三郎氏所蔵)あり、近年文展院展などにも之を画けるもの多し、土田麦僊富田溪仙、前田青邨など各々この作あり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

京都市の北郊八瀬、大原、高雄、中川郷辺より洛中へ物売に来る農婦の称、束ね髪を後に垂れ白地の手拭を冠り、綿服に紺地の広前垂、手甲脚絆をつけ、裳裾を高く端折り頭に黒木(薪)をのせ時に草花の類を折りそへて市中を売り歩く、その風俗と売声が優美なので名高い、四条派その他風俗画家の好画題とされ和歌にも詠まれ地唄その他の俗謡にも唱はれた。  (家庭百科大事彙)

召せやめせゆふげの妻木早く召せ帰るさ遠し大原の里  香川景樹

大原女を画いたもの古来少くない。近年の作を左に列挙する。

土田麦僊筆          第九回文展出品

同              国画創作協会出品

富田渓仙筆  『八瀬大原』  第八回院展出品

中村貞以筆          第十一回院展出品

前田青邨筆  『花売』    同

鈴木鳥心筆  『洛北夏容』  同

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)