上毛野形名妻

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かみつけのの かたなのつま


画題

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解説

前賢故実

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舒明天皇九年、蝦夷が叛乱を起こした。形名は討伐の大将に任命された。初めは形名の軍が敗れてとりでへ戻り守勢を取った。賊はとりでを囲み激しく攻撃してきたので、たくさんの兵士が敗れて散り散りになった。形名はどうしたらいいかわからなくて、土塀を越えて逃げようとした。形名の妻は、逃走を止めさせようと夫を諫め、強引に形名にもろみ酒を飲ませて酔わせた。その上で自ら夫の剣を佩き、弓を張り、十人の侍女達に弓弦を鳴らさせ、兵士に加勢した。これを聞いた賊は、とりでの中にまだたくさんの兵がいると勘違いして、近くから攻められなくなった。賊が軍を引いた間に、散り散りになった兵士が戻ってきたため、蝦夷を破ることができた。遂に東の辺陲を平定した。

(『前賢故実』)