木立 雅朗  キダチ マサアキ
■文学部 人文学科日本史学専攻 ■教授
■主な所属学会と役職
北陸古代土器研究会、日本文化財科学会、考古学研究会

■主な著書・論文
●『木製櫛の変遷について』(単著、1993年、『野本』石川県立埋蔵文化財センター)
●『北陸における瓦生産』(単著、1989年、『北陸の古代手工業生産』北陸古代手工業生産史研究会)
●『造瓦組織の歴史的発展についての覚書』(単著、1987年、『北陸の古代寺院』桂書房)

■研究主題
木製櫛の歴史的変遷、瓦生産組織の歴史的変遷、人形の成立、土器製作・焼成技術の変遷と系譜、考古学による地域史構築、近世京焼の考古学的検討
「もの」の原始〜現代に至る変遷と社会の関わりについて考察し、考古学的手法による通史を模索。地域の主体的な歴史を「もの」から復原する。

■紹介
「瓦礫」を通して知る当時の文化
考古学と言えば古い時代を対象にしていると考えられがちだが、最近では中世や近世の発掘成果も目覚ましい。「もの」から見た人類の通史を概観することも不可能ではない。そうした視点としては宇野隆夫氏の一連の優れた研究があるが、私もその強い影響を受け、木製櫛や瓦生産、人形などの歴史的変遷と社会との関わりに関心を寄せている。学生時代には京都近辺の複数の大学が参加した「京都考古学研究会」に参加し、遺跡の分布調査などに参加した。立命館大学に在籍していたものの、大学ではほとんど活動しなかった。まじめに考古学の勉強をはじめたのは、研究会の活動のなかで、破壊されつつある瓦窯の分布調査を担当させられてからであった。文字どうり「瓦礫」として捨てられていく瓦を抱えて途方に暮れた。なぜ「瓦礫」が大切なのか、瓦窯の地主さんに説明しなければならなかったからである。多分、今でもよく似た理由で研究を続けていると思う。
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