桂島 宣弘  カツラジマ ノブヒロ
■文学部 人文学科日本史学専攻 ■教授 ■文学博士
■主な所属学会と役職
日本思想史学会(評議員)、日本史研究会、日韓宗教研究フォーラム(運営委員)

■主な著書・論文
●『増補改訂版 幕末民衆思想の研究』(単著、2005年、文理閣)
●『思想史の十九世紀』(単著、1999年、ぺりかん社)
●『宣長の「外部」』(単著、2001年、『思想』932号、岩波書店)

■研究主題
日本近世思想史、並びに民衆思想史
近世の儒学・国学・民衆宗教等の思想史的研究を中軸に社会意識の動態的変容の分析を行っている。

■紹介
新しい日本思想史の構築をめざす
日本近世思想史を自分の専門にするに至った契機は、'95年3 月で立命館大学文学部をご退職された故衣笠安喜先生のゼミに所属したことにありますが、個人的には思想的に混迷を深めるかに見えた'70年代の状況に向き合うために、近世以来の日本思想史の勉強を始めてみたいと思ったことが関係しています。当時、安丸良夫『日本の近代化と民衆思想』や子安宣邦『宣長と篤胤の世界』が世に問われ、方法論的にも丸山真男以来の視点が問い直され始めていたことも大きな刺激になっていたと思います。以来、金光教などの民衆宗教研究、平田篤胤以降の幕末国学の研究を続けて今に至っていますが、80年代の自分の研究については『幕末民衆思想の研究』として何とかまとめることができました。また、90年代の研究については『思想史の19世紀』として'99年3月に刊行しました。その過程で近世日本に「他者」としてアプローチする必要性を痛感しました。方法論的にも、M ・フーコーやアナール学派などの問題構成を射程に入れた新しい日本思想史の構築をめざしたいと思っています。こうした点を盛り込んで、2005年『増補改訂版 幕末民衆思想の研究』を刊行しました。
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