立命館大学アート・リサーチセンター所蔵
浮世絵名品展 第一期 出品目録

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三代目歌川豊国 (大判錦絵10枚組)
            UY0156,0158,0152,0159,0153,
              0157,0154,0160,0155,0151
「御誂三段ぼかし」
「浮世伊之助」
「野晒諸助」
「夢の市郎兵衛」
「葉歌の新」
「かくれ家の茂兵衛」
「鹿の子勘兵衛」
「堤婆の仁三」
「関東小六」
「湯島ノ三吉」
「紅の甚三」
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安政6年(1859)5月 (見立)

浮世伊之助〈3〉岩井粂三郎、
野晒諸助〈4〉市川小団次、
夢の市郎兵衛〈5〉坂東彦三郎、
葉歌の新〈1〉河原崎権十郎、
かくれ家の茂兵衛〈4*〉尾上梅幸、
鹿の子勘兵衛〈8〉片岡仁左衛門、
堤婆の仁三〈1〉中村福助、
関東小六〈4〉尾上菊五郎、
湯島ノ三吉〈3〉市川市蔵、
紅の甚三〈2〉沢村訥升

※〈4*〉尾上梅幸は四代目梅幸と同時期に存在した役者
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 幕末江戸歌舞伎のスター十人を選んで、侠客姿で描き揃い物としたもの。当時人気の若手役者七人と、〈8〉片岡仁左衛門、〈4〉市川小団次、〈4〉尾上菊五郎という大立者が選ばれている。役者達は揃いの浴衣を着て、男達の風俗で描かれ、それぞれの絵の背景には、画題に「三段ぼかし」とあるように三色の“ぼかし”を使い、各々の役者の替紋が彩りも美しく配されている。五人男の見立てで描いた五枚組の作品は外にも多く見受けられるが、十枚組のものは珍しい部類に入る。

二代目歌川国貞(大判錦絵 7枚組)
               UY0237,0231,0235,0233,0234,0232,0236
「金華七変化の内」
   
「猫間後室烏羽玉」
「金華七変化の内」
   「義弘の愛妾実ハ於玉の方」
「金華七変化の内」
  
「大内家の忠臣小森半之丞晴光」
「金華七変化の内」
  
「於玉の方局春日野実ハ春野の妖猫」
「金華七変化の内」
  
「半之丞の妻後の十六夜」
「金華七変化の内」
    「山口の城主大内権介義弘」
「金華七変化の内」
   
「老母落葉実は玉垂の怪猫」
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慶応2年(1866)7月 (見立)


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 佐賀の鍋島藩に怪猫が祟りをなすという伝説は実録本や講談などによって江戸時代から有名であるが、この七枚組の絵もその伝説をもとにして作られている。嘉永6年9月には江戸の中村座でこの鍋島の猫騒動を脚色して上演しようとしたが、初日間際に鍋島藩からの抗議がでて急遽上演中止になったといういきさつがある。

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