酒呑童子


  酒呑童子伝説は、源頼光の鬼退治の話として広く知られる。現在残っている書物や絵画は室町時代以降のものであるが、それ以前から物語は存在したと考えられる。その原形は、源頼光や「四天王」と呼ばれる家臣らが山賊を退治したという物語に、大江山にいた山賊の話が結び付いたものとされている。
 酒呑童子伝説が一般に広まった江戸時代においては、渡辺綱による羅生門の鬼退治や坂田金時の金太郎伝説と共に、さまざまな形で文芸作品や錦絵の題材として取り上げられた。初期の伝説は、酒呑童子の住処によって伊吹山系と大江山系の二系統に分けられるが、次第に大江山へ統一されていった。「大江山」には二説あり、山城国と丹波国の境にある大枝山(現在の亀岡市老の坂)、または丹波国と丹後国の境にある大江山とされる。現在も両地には旧跡が多数点在している。