酒呑童子
酒呑童子
32
しゅてんどうじ
酒呑童子


15.6×23.5
作者・絵師等:未詳
版元:(写本)
年代:江戸時代前期
【解説】
本書と33・34は、内容から見ると「御伽草子」と総称されるものに属する。また本書のような、表紙や挿絵に金泥や金箔を用いた豪華な絵入古写本のことを「奈良絵本」と呼ぶ。

酒呑童子
33
しゆてんどうじ

15.5×22.5
作者・絵師等:未詳
版元:渋川清右衛門
年代:寛文(1661~1673)頃
【解説】
大阪の版元渋川清右衛門が、それまで奈良絵本や絵巻という手書きの写本によって伝えられてきた物語を、印刷本として出版した。本書もその中の一つで、酒呑童子伝説が広く一般に流布するきっかけとなった作品。

酒呑童子
34
しゆてんとうし


24.1×16.7
作者・絵師等:未詳
版元:未詳
年代:寛永(1624~1644)頃
【解説】
下巻のみしか伝わらないが、糸井文庫のみに所蔵される貴重な書。酒呑童子物の御伽草子のうち、写本によって伝わるものは多数存在するが、出版されたものは33と本書のみしか知られていない。

酒呑童子
35
おおえやまきじんしまつ
大江山鬼神始末


27.1×18.9
作者・絵師等:未詳
版元:(写本)
年代:未詳
【解説】
「実録本」とは、虚構を織り交ぜながら史実のように記した写本を指す。本書はそうした実録本『頼光太平記』から酒呑童子退治に関連する記述のみを抽出した作品。

酒呑童子
36
えほんえいゆうかがみ
絵本英雄鑑


22.3×15.5
作者・絵師等:藤堅果序 北尾政美画
版元:前川六左衛門 河内屋木兵衛
年代:寛政3年(1791)
【解説】
本書は源家の英雄にまつわる諸伝説を集めた多色摺の絵本。江戸時代において、酒呑童子退治は源頼光の逸話の一つとして有名であり、 36・37・38のように鬼退治という題材の面白さから、絵画主体で文を添えた「絵本」にもその題材はよく利用されている。

酒呑童子
37
えほんらいこういちだいき
絵本頼光一代記


22.5×15.7
作者・絵師等:岡田玉山画
版元:勝尾屋六兵衛 菱屋孫兵衛 河内屋喜兵衛
年代:寛政8年(1796)
【解説】
源頼光の一代記をまとめたもの。酒呑童子伝説にとどまらず、宇治の橋姫や渡辺綱の羅生門の鬼退治伝説など、頼光周辺の様々な伝説の集大成となっている。

酒呑童子
38
えほんおおえやま
絵本大江山


21.8×15.0
作者・絵師等:北尾政美画
版元:須原屋市兵衛 永楽屋東四郎
年代:天明6年(1786)
【解説】
36・37と同様に絵を主体にした絵本で、題材を酒呑童子退治に限ったもの。糸井文庫には本書の他、墨一色で摺られたものも所蔵される。

酒呑童子
39
えほんおおえやまものがたり
絵本大江山物語


19.8×14.5
作者・絵師等:曲亭馬琴作 北尾重政画
版元:鶴屋喜右衛門
年代:寛政11年(1799)
【解説】
本書は、従来書名しか知られていなかったもの。上質な紙を使用しているため、本書のようなものを「上紙摺」と呼ぶ。序文にのみ有名な馬琴の名を挙げるが、当時の記録によって本文も馬琴の手によるものと思われる。

酒呑童子
40
おおえやましゅてんどうじ
大江山酒呑童子


16.7×11.5
作者・絵師等:尾関トヨ作 <5>歌川国政画
版元:尾関トヨ
年代:明治22年(1889)
【解説】
木版ではなく銅版印刷を用いた絵本で、源頼光の活躍を記した作品。本書には仕掛けがあり、頼光の鬼同丸退治のページを開くと、開き絵の仕掛けで酒呑童子退治の場面があらわれる。

酒呑童子
41
めいしょう おおえやまいり
名将/大江山入



17.5×11.8
作者・絵師等:楽亭西馬作 歌川芳虎画 
版元:佐野屋喜兵衛 
年代:嘉永6年(1853)
【解説】
源頼光と四天王の伝説を集めた作品。前編で坂田金時の幼少期である金太郎とその母山姥、後編で山伏姿に変装した頼光が捕らわれの姫と出会う場面が、各巻上下の表紙に描かれる。

酒呑童子
42
ももたろうおおえやまいり
桃太郎大江山入


17.0×12.3
作者・絵師等:桜川慈悲成作 歌川豊国画
版元:西村屋与八
年代:寛政7年(1795)
【解説】
源頼光の酒呑童子退治をパロディー化したもの。桃太郎が犬・猿・猪・熊の四天王を連れて狩人の「ひつてんどうじ」を退治し、獣たちの難儀を救うという内容。展示箇所は酒宴の席で猿廻しの余興を見せ、狩人たちを油断させている場面。

酒呑童子
43
The OGRES of OYEYAMA


15.3×10.4
作者・絵師等:B.M.CHAMBERLAIN作ヵ
版元:長谷川武次郎
年代:明治24年(1891)
【解説】
酒呑童子退治を英訳した縮緬本。長谷川武次郎の弘文社において、海外向けに出版された一連のシリーズの一つ。"ogre"とは人喰い鬼のことをいい、人肉を食べていたといわれる酒呑童子のことを指す。

酒呑童子
44
おおえやまじっけい
大江山実景



37.0×50.9
作者・絵師等:梅廼家雪晴画
版元:魚谷鹿之助
年代:明治24年(1891)
【解説】
「細工人中谷省古 興行人奥田弁次郎」とあることから、明治25年1月に大阪で興行された人形細工の見世物の番付とわかる。この見世物は酒呑童子退治の各場面を、人形と造り物によって再現したものであったと考えられる。

酒呑童子
45
おおえやま
大江山

30.9×245.0
作者・絵師等:未詳
版元:未詳
年代:未詳
【解説】
絵半切とは江戸時代に手習いや便箋として使われたもので、印刷された絵の空白箇所に文字を書いていた。糸井文庫所蔵のものは手紙ではなく、鬼が登場することで有名な『伊勢物語』の「芥川」の一節で、挿絵は酒呑童子との酒宴までを描いている。実用的なものであるため、その現存数は少ない。

酒呑童子
46
らいこうやまいりおうらい
頼光山入往来

22.3×15.6
作者・絵師等:十返舎一九作 歌川国安画 
版元:山口屋藤兵衛
年代:文政7年(1824)
【解説】
江戸時代には手紙文例集の「往来物」が多数出版されていた。本書は酒呑童子退治の伝説を実用書である往来物形式によせたもの。上部には実用書の往来物らしくお菓子などの作り方を記している。

酒呑童子
47
おおえやまゆらい
たんはみやけ/大江山ゆらい


24.3×16.6
作者・絵師等:未詳
版元:未詳
年代:未詳
【解説】
頼光の酒呑童子退治を簡潔にまとめたもの。表紙に「たんはみやけ」とあることから、丹後とは別の大江山がある丹波国の出版物であることがわかる。48・49同様に郷土の名所由来を記した土産物であったと考えられる。

酒呑童子
48
しゅてんどうじゆらい
酒顛童子由来


20.5×14.5
作者・絵師等:未詳
版元:桝屋卯右衛門
年代:弘化2年(1845)以降
【解説】
丹後の大江山(現在の加佐郡大江町)にあった宿屋の桝屋 (鬼ヶ茶屋として現存)が出版した土産物。桝屋は弘化2年に岩屋寺所蔵の絵巻から詞書だけを写しており、これが本書のもとになったようである。

酒呑童子
49
おおえやませんじょうがたけ しゅてんどうじゆらい
大江山千丈嶽/酒呑童子由来


23.1×16.2
作者・絵師等:未詳
版元:桝屋卯右衛門
年代:弘化2年(1845)以降
【解説】
48の挿絵を変え、本文に漢字をあてたもので、現在でも同じものが鬼ヶ茶屋で販売されている。中下巻の裏表紙に描かれた桝屋の店先には本書のことを記した看板が見られる。また上部には大江山の名所が列挙され、名所案内を請け負う旨の一文が添えられている。