静御前
静御前
N41
ちゅうこうめいよきじんでん
忠孝名誉奇人伝


大判錦絵 1枚
絵師:歌川国芳
版元:遠州屋又兵衛
年代:弘化2年(1845)
【解説】
この「忠孝名誉奇人伝」というシリーズは、天保の改革により美人画の出版が禁じられたために、歴史上の女性を描いて美人画の代用にしたもの。そのため、静御前の扮装も鎌倉時代のものとは異なり、出版当時の風俗で描かれている。

静御前
N42
ほりかわやかっせん
堀川夜合戦 
  「源義経公」「武蔵坊弁慶」「静御前」「運野ノ太郎」「御厩喜三太」「土佐坊昌俊」


大判錦絵 3枚続
絵師:勝川春亭
版元:鶴屋金助
年代:文化後期~文政初期(1810~1821)
【解説】
源頼朝の命で土佐坊昌俊が義経邸を襲った堀川夜討を描いたもの。鎧姿で戦う静御前の姿を強調するために、他の武者に比べて大きく描いたり、遠近法を使って背景を描いたりと春亭の表現技法をうかがうことが出来る作品である。

静御前
N43
ほりかわようち    ず
[堀川夜討の図]
「源義経」「静御前」「武蔵坊弁慶」


大判錦絵 3枚続
絵師:歌川国芳
版元:高治
年代:天保14年~弘化4年(1843~1847)
【解説】
N42と同じく堀川夜討を描いた作品。義経が引き上げる幔幕の向こうに、土佐坊が率いる鎌倉方の軍勢が見える。堀川夜討は静御前の活躍で有名だが、本図でも手元に薙刀を置き、着物は襷掛けにして、義経とともに戦う様子で描かれている。

静御前
N44
せつげっか  やまと  よしのゆき
雪月花 大和 吉野雪
 「静御前 義経 弁慶」


大判錦絵 1枚
絵師:歌川周延
版元:小林鉄次郎
年代:明治17年(1884)
【解説】
「雪月花」という画題からシリーズものの一つと考えられる。吉野山での義経との別離を描いたもので、雪中での別れが静の哀れさをより強く印象づけ、はかなげな美しさを演出している。歌川周延は、明治期に美人風俗画を得意とした絵師である。

静御前
N45
しずかごぜんかまくらつるがおかにほうらくのず
静御前鎌倉鶴ヶ岡ニ法楽ノ図


大判錦絵 3枚続
絵師:水野年方
版元:秋山武右衛門
年代:明治中期~後期(1880~1908)
【解説】
鎌倉鶴岡八幡宮での有名な舞の場面だが、本図は3枚に渡って静を描くという大胆な構図で描かれている。静御前は男舞の名手であったとされるが、男舞とはこの作品のように、白拍子が男装して舞うものである。

静御前
N46
きょうどうりっしき
教導立志基


大判錦絵 1枚
絵師:井上探景
版元:松木平吉
年代:明治18年(1885)
【解説】
「教導立志基」は、明治16年(1883)から明治22年(1889)にわたって刊行されたシリーズで、井上探景の他に歌川芳年、歌川国周、小林清親などが筆を執っている。本図では頼朝の前で、義経を慕う歌を詠じ舞を舞う静御前を貞女の鑑として描いている。

静御前
N47
とうかいどうごじゅうさんつぎのうちみつけ                    
東海道五十三次の内見附 しづか


大判錦絵 1枚
絵師:<3>歌川豊国
版元:井筒屋庄吉
年代:嘉永5年(1852)
【解説】
東海道のそれぞれの宿場と、その土地になじみの深い歌舞伎の登場人物とを組み合わせて描いたシリーズの内の一つ。ここでは<1>坂東しうか扮する静御前が、「見附宿」を背景に描かれている。

静御前
N48
よしつねせんぼんざくら
[義経千本桜]
「しづか御ぜん」 「源九郎ぎつね」


大判錦絵 2枚続
絵師:歌川国芳
版元:湊屋小兵衛
年代:弘化4年(1847)
【解説】
弘化4年に江戸河原崎座で上演された「義経千本桜」の一場面を描いた役者絵である。静御前を<1>坂東しうか、狐忠信を<4>中村歌右衛門が演じた。描かれた場面は、忠信に化けた狐の正体を静が見破り、刀で斬りかかっているところである。

静御前
N49
よしつねせんぼんざくら
[義経千本桜]
「源義経 市川団十郎」「静御前 岩井半四郎」「狐忠信 尾上菊五郎」「横川覚範 市川左団次」


大判錦絵 3枚続
絵師:守川周重
版元:加賀屋吉兵衛
年代:明治14年(1881)
【解説】
明治14年に東京新富座で上演された「義経千本桜」の役者絵。源義経や狐忠信、横川覚範などの主要な役を、当時の人気歌舞伎役者が一日替りに演じる趣向で好評を得た。