三庄太夫
三庄太夫
N13
さんしょうだゆうこがねのとりどし
[三荘太夫鉄鶏歳]
「三荘太夫 市川九蔵」「娘おさん 市村羽左衛門」


大判錦絵 2枚続
絵師:歌川国貞
版元:三河屋利兵衛
年代:天保8年(1837)
【解説】
天保8年に江戸市村座で上演された「三荘太夫鉄鶏歳」に取材した役者絵。鶏娘の趣向は浄瑠璃『由良湊千軒長者』で演じられたのが最も古いが、歌舞伎でも上演されるようになり、三庄太夫物において重要視される場面となった。

三庄太夫
N14
むかしばなしさんしょうだゆう
昔談三荘太夫 
「(由郎三郎)」「対王丸」「三荘太夫」「元吉要之助」「安寿姫」「梁川数馬」「大江ノ郡領」「太夫娘お三」「さくら戸」「岩木ノ判官」「質屋重兵衛」「大和田蔵之進」「三荘太夫」「女房おらち」「山岡権六」「元吉要之助」


大判錦絵 3枚続
絵師:<3>歌川豊国
版元:山田屋庄次郎
年代:嘉永5年(1852)
【解説】
嘉永5年に江戸河原崎座で上演された「昔談柄三升太夫」に取材した役者絵。役者絵は人気役者や舞台の見せ場を描くものが多いが、本作品のように複数の主要な場面を一図に描いて、芝居の内容を生き生きと伝えるものもある。

三庄太夫
N15
むかしばなしさんしょうだゆう
[昔談柄三升太夫] 
「元吉要之助」 「三庄太夫娘おさん」 「三庄太夫」 「対王丸」 「権藤二女房らち」 「安寿姫」


大判錦絵 3枚続
絵師:<3>歌川豊国
版元:山口屋藤兵衛
年代:嘉永5年(1852)
【解説】
N14・N16と同様に「昔談柄三升太夫」に取材した役者絵。労働を人に手伝わせた罪により、三庄太夫が安寿と対王丸に焼き金を当てようとするのを、三女おさんがなだめている。三庄太夫を演じるのは<5>市川海老蔵。

三庄太夫
N16
むかしばなしさんしょうだゆう
[昔談柄三升太夫]
 「山荘太夫」 「太夫娘おさん」 「対王丸」 「元吉要之助」


大判錦絵 3枚続
絵師:歌川国芳
版元:加賀屋安兵衛
年代:嘉永5年(1852)
【解説】
N14・N15と同様に「昔談柄三升太夫」に取材した役者絵。三庄太夫の悪事の報いで、三女おさんは明け方になると鶏鳴きをする鶏娘として生まれる。おさんは恋い慕う要之助の身の上を案じて忍び出る際、騒ぎ鳴く鶏を追い回すうち自らが羽ばたいてしまう。おさんは<3>嵐璃寛、要之助は<8>市川団十郎が演じた。

三庄太夫
N17
だいにほっぽんろくじゅうよしゅうのうち
大日本六十余州之内
たんご あんじゅひめ ずしおうまる
丹後 安寿姫 対王丸


大判錦絵 1枚
絵師:<3>歌川豊国、<3>歌川国政
版元:上州屋重蔵
年代:天保14~弘化4年(1843~1847)
【解説】
「大日本六十余州之内」と題するシリーズの一つ。安寿・対王丸姉弟による汐汲・芝刈の図は錦絵や絵本類の表紙などにも利用されており、三庄太夫物の定型の一つと言える。

三庄太夫
N18
いちむらざさんしょうだゆう
市村座三荘太夫
 「安寿姫 中村種太郎」 「三荘太夫 市川九蔵」 「対王丸 片岡土之助」 「娘おさん 沢村源之助」


大判錦絵 3枚続
絵師:歌川国周
版元:福田熊次郎
年代:明治29年(1896)
【解説】
明治29年に、東京の市村座で上演された「増補本三荘太夫」に取材した役者絵。現代ではあまり知られていない鶏娘の趣向も、近代まではよく知られていたものであった。<4>沢村源之助扮するおさんが、鶏鳴きをして狂う場面は当時好評を博した。