子供絵本
子供絵本
71
まめおとこごにち たんばのたろうどうじててうちぐり
[豆男後日/丹波太郎童子爺打栗]


21.4×15.6
絵師:未詳
版元:未詳
年代:未詳
【解説】
本書は小さな豆男による丹波太郎退治の内容で、豆男の奮戦ぶりがユーモラスな作品である。 本の形式から、上方で子供絵本が出版され始めたごく初期のものと推定できる。

子供絵本
72
えほんりゅうぐうあそび
絵本竜宮遊


21.8×15.6
絵師:斎藤千山画ヵ
版元:未詳
年代:未詳
【解説】
乙姫の嫁入を描いたもので、本作品に登場する魚貝類は全て擬人化されている。 この作品は後に続編・続々編まで書き継がれた人気作品であった。

子供絵本
73
えほん みなもとのらいこうむかしものがたり
絵本/源頼光昔物語


22.4×15.7
絵師:下河辺拾水画
版元:菊屋喜兵衛
年代:天明6年(1786)
【解説】
上方の絵本にはしばしば本書のように「行成表紙」と呼ばれる模様入りの表紙が用いられた。 絵師の下河辺拾水は、明和~寛政期(1764~1801)に上方絵本の画工として活躍した人物である。

子供絵本
74
えほんおおえやま
絵本大江山


17.4×12.2
絵師:歌川国鶴画
版元:綿屋平兵衛
年代:天保~嘉永(1830~1854)頃ヵ
【解説】
近世後期の上方絵本。上方絵本の全盛期といわれる享保~寛政(1716~1801)期には、71・72・73のような 本の大きさが一般的であったが、それ以降は本書のように小型化し、出版数も減少する。

子供絵本
75
おおえやまきじんたいじ
大江山鬼人退治


17.2×11.5
絵師:<2>長谷川小信画 <2>長谷川貞信画(口絵)
版元:前田喜兵衛
年代:明治8年(1875)以降ヵ
【解説】
明治初年頃、大阪の版元前田喜兵衛は、上方の絵師長谷川小信を起用し、昔話や芝居の多色摺絵本を多数刊行した。 本書もその内の一つである。

子供絵本
76
おおえやまぐんき
[大江山軍記]


18.0×12.9
絵師:山本藤信画
版元:未詳
年代:未詳
【解説】
江戸では18世紀初めより、本書のような大きさの、草双紙と呼ばれる子供絵本が多数刊行された。 これらは表紙の色や刊行時期から赤本・青本・黒本・黄表紙などと呼び分けられた。本書は絵師山本藤信が描いた 現在確認されている唯一の草双紙作品である。

子供絵本
77
まる  
[きどう丸]


17.2×12.5
絵師:富川房信画
版元:西村屋与八
年代:未詳
【解説】
源頼光らによる鬼同丸退治を描く作品である。周囲に描かれるお化けの表情は、いかにも子供向けといった雰囲気である。

子供絵本
78
黄表紙の表紙いろいろ
表紙の色から黄表紙と呼ばれるこの作品群は、子供だけの為のものではなく、同時に大人の読み物でもあった。草双紙の表紙は、その年ごとに各版元が工夫をこらした題簽で飾られ、黄表紙期(18世紀半ば~19世紀初頭)には多色摺の題簽が定着する。
たつのみやこせんたくばなし
78a   竜宮洗濯噺


16.8×12.6
絵師:勝川春朗画
版元:西村屋与八
年代:寛政3年(1791)
み    みこし  たんば  しろあと
78b 見こし/\/丹波の城跡


17.5×12.7
作者・絵師等:飛田琴太作 古阿三蝶画
版元:伊勢屋治助
年代:寛政6年(1794)
きょうがのこえどむらさき そのあとまくばばあどうじょうじ
78c 京鹿子江戸紫 / 其跡幕婆道成寺


17.1×12.6
作者・絵師等:式亭三馬作 歌川豊国画
版元:西宮新六
年代:寛政10年(1798)


子供絵本
79
うらしま ききょうやしま じゅすい さるとかにとおいむかしばなし
浦島が帰郷八島の入水/猿蟹遠昔噺


16.5×12.4
絵師:恋川春町作、画
版元:蔦屋重三郎
年代:天明3年(1783)
【解説】
昔話のパロディ化の一例で、題名からもわかるように、浦島太郎・源平合戦・猿蟹合戦などを盛り込んだ作品。 展示箇所では猿蟹合戦を採りあげている。黄表紙では、本書のようにいくつかの物語をとり混ぜる手法がしばしば用いられた。

子供絵本
80
かいちゅうはこいりむすめ
海中箱入姫


17.3×12.4
絵師:七珍万宝作 北尾政美画
版元:西宮新六
年代:天明8年(1788)
【解説】
79と同様、一作品に桃太郎、浦島太郎、玉取り説話などを盛り込んだ作。展示箇所は、竜宮へ向かう途中の桃太郎が、 乙姫を襲おうと企むムカデを家来の一人に加える場面。

子供絵本
81
えほんぎけいき
絵本義経記


22.3×15.8
絵師:北尾重政画
版元:須原屋茂兵衛 梅村三郎兵衛 大野木市兵衛
年代:安永2年(1773)
【解説】
源義経の生涯を描いた一代記『義経記』を、挿絵つきの絵本にした作品。絵師の北尾重政は、 江戸中期に絵本の挿絵を多く手掛けた人物である。

子供絵本
82
豆本の表紙いろいろ
幕末から明治期には、豆本と呼ばれる小型の絵本が多数刊行された。 この頃には表紙も色鮮やかな多色摺の表紙となり、読者の目を一層楽しませた。
してんのうおおえやまいり
82a 四天王大江山入


10.6×7.7
作者・絵師等:司馬芝猿作  貞斎泉晁画
版元:狭屋与市ヵ
年代:未詳
してんのうおおえやまいり
82b 四天王大江山入


10.6×7.7
作者・絵師等:未詳
版元:塩屋平助
年代:未詳
らいこうおおえやまいり
82c 頼光大江山入


11.8×7.8
作者・絵師等:歌川直政画
版元:未詳
年代:未詳

らいこういちだいき
82d 頼光一代記


10.3×7.2
作者・絵師等:宝田千町作 歌川貞秀画
版元:和泉屋市兵衛
年代:未詳
らいこういちだいき
82e 頼光一代記


11.9×8.4
作者・絵師等:宝田千町作 歌川貞秀画
版元:未詳
年代:未詳

子供絵本
83

うらしまたまてばこ


10.8×7.4
絵師:未詳
版元:未詳
年代:未詳
【解説】
挿絵に水色と朱色の絵の具が見られるが、これはおそらく子供によるぬり絵であろう。 当時、玩具として絵本が用いられたことが推測される一冊。

子供絵本
84
いわみえいゆうき
岩見英勇記



11.3×7.8
絵師:未詳
版元:綱島亀吉
年代:明治18年(1885)
【解説】
銅版の豆本。時代の移り変わりによって絵本の印刷技法が変化した例。

子供絵本
85
おおえやまきじんたいじ
大江山鬼人退治


11.8×7.8
絵師:鎌田在明作
版元:鎌田在明
年代:明治23年(1890)
【解説】
明治期には、欧米文化の輸入によって、本に用いられる紙も和紙から洋紙へと変化した。 この時期の洋紙は、大量生産向きであったために広く用いられたが、長期間の保存ができず近年問題となっている。