岩見重太郎
岩見重太郎という豪傑が諸国を漫遊しながら各地で狒々や大蛇を退治し、父の仇を宮津の天橋立で討ったという伝説は、数十年前までは多くの人々に知られていたものである。現在でも天橋立には仇討の碑があり、その周辺には岩見重太郎に関連する史跡が残っている。岩見重太郎は実在の人物であったが、伝説の成立過程において、講釈師らの手により各地に残る豪傑の伝説と結びつけられた。その結果、岩見重太郎の狒々退治伝説は、全国各地に残っているのである。