石川五右衛門
石川五右衛門
50
ぞくきんひせいだん
賊禁秘誠談

25.0×16.5
作者・絵師等:川崎政永写
版元:(写本)
年代:文化10年(1813)写
【解説】
本書は「実録本」と呼ばれる江戸時代の小説の一種で、出版が禁じられたために写本で流布した。 成立は安永期(1772~1781)以前までさかのぼると考えられている。本作品中に見られる、五右衛門を 伊賀国出身の忍術使いとする点や千鳥の香炉の逸話などは、歌舞伎等の五右衛門像に大きな影響を 与えた。

石川五右衛門
51
じつろくぶんこ   はまちどりまさご  しらなみ   いしかわごえもんじつでん
実録文庫/浜千鳥真砂の白浪 石川五右衛門実伝


17.8×11.7
作者・絵師等:頓陳間人半馬作 尾形月耕画 
版元:春陽堂
年代:明治16年(1883)
【解説】
春陽堂の刊行した「実録文庫」シリーズの内のひとつで、江戸時代の実録本を活字 にしたもの。忍術を習得して盗賊となった五右衛門が、釜煎りの刑となるまでを描く。上下2巻の 和装本であるが、後に1冊にまとめられ、洋装本の形でも刊行された。

石川五右衛門
52
いしかわごえもん
石川五右衛門

22.0×15.0
作者・絵師等:塚原渋柿園作 宮川春汀画(後編)
版元:隆文館
年代:明治41年(1908)
【解説】
作者の塚原渋柿園は明治から大正にかけて活躍した作家で、主に歴史小説を執筆して いる。本書では五右衛門を河内国石川村の生まれとし、釜煎りの刑に処されるまでを描く。 江戸時代の五右衛門像の影響が伺える作品である。

石川五右衛門
53
いしかわごえもん
石川五右衛門


21.0×15.5
作者・絵師等:未詳
版元:未詳
年代:貞享~元禄(1684~1704)頃
【解説】
松本治太夫が語ったとされる浄瑠璃で、浜松の大野家家老であった五右衛門が、 後に盗賊となる筋である。釜煎りの際に五右衛門が息子を気遣うくだりは、後の作品に引き継がれ、 見せ場の一つとなった。

石川五右衛門
54
えほんしゅっせやっこ  え        
画本出世奴 ゑづくし


22.0×15.6
作者・絵師等:未詳
版元:未詳(上方板)
年代:未詳
【解説】
上方で刊行された子供向けの絵本のひとつで、豊臣秀吉を模した此下東吉の 少年時代と、出世してからの逸話を描いている。石川五右衛門は、久吉所蔵の千鳥の香炉を 盗もうとして捕らえられる盗賊として登場する。

石川五右衛門
55
てんじくとくびょうえいしかわごえもん はなめずらしきやっこちゃや
天竺徳兵衛石川五右衛門 / 花珍奴茶屋


17.3×12.5
作者・絵師等:辛井山椒作 勝川春常画
版元:伊勢屋治助
年代:天明2年(1782)
【解説】
五右衛門の正体を異国人である大明の宋蘇卿と設定するなど、歌舞伎「金門五山桐」 の影響がうかがえる作品である。登場人物を江戸の歌舞伎役者の似顔絵で描いているが、当時の 江戸ではまだ「金門五山桐」は上演されていないため、架空の配役を想定したものと考えられる。

石川五右衛門
56
ごえもんいちだいき
五右衛門一代記


17.4×11.4
作者・絵師等:藤本吐蚊作 <3>歌川国政画  <3>歌川豊国画(口絵) 歌川国周画(表紙)
版元:藤岡屋慶次郎
年代:嘉永4年(1851)以降
【解説】
嘉永4年に江戸中村座で歌舞伎「木下曽我恵☆路」が上演され、舞台をそのまま写した 『木下影真砂模絵』が出版された。本書はその書名を替えて再版されたもの。作者藤本吐蚊は、 歌舞伎作者の<3>瀬川如皐である。

石川五右衛門
57
かまがぶちみますのいしかわ
 釜ケ淵水増石川


17.8×11.5
作者・絵師等:花笠文京作 歌川国芳画
版元:恵比寿屋庄七
年代:嘉永4年(1851)
【解説】
56と同じく「木下曽我恵☆路」の舞台をそのままに出版したもの。 この芝居は「継子いじめ」や「宙乗り」など、それまでの五右衛門物の見せ場を混ぜ合わせたもの である。