石川五右衛門
石川五右衛門
N31
いしかわごえもん  にだいめあらしひなすけ  みんし
石川五右衛門 二代目嵐雛助 眠獅

大判錦絵 1枚
絵師:<3>歌川豊国
版元:恵比須屋庄七
年代:文久3年(1863)
【解説】
この作品は「錦昇堂版大首絵」と呼ばれるシリーズの一つで、故人も含めた人気歌舞伎役者を、その当たり役の扮装で描いた作品である。<2>嵐雛助は寛政12年(1800)に江戸で「楼門五山桐」が初演された際、石川五右衛門役を演じた役者。画中に「眠獅」とあるのは、雛助が俳句を詠む際に用いた俳名である。

石川五右衛門
N32
いしかわごえもん    なかむらうたえもん
石川五右衛門 中村歌右衛門


大判錦絵 1枚
絵師:歌川豊国
版元:山平
年代:文化7年(1810)
【解説】
文化7年に江戸中村座で上演された「楼門五三桐」の役者絵。七曜星(北斗七星)を見て、自らの命運を占う石川五右衛門の姿を描いている。五右衛門を演じるのは、江戸後期に京都・大阪・江戸で活躍した<3>中村歌右衛門。

石川五右衛門
N33
いしかわごえもん    なか      しかん
石川五右衛門 中むら芝翫


大判錦絵 1枚
絵師:<3>歌川豊国
版元:平野屋新蔵
年代:文久2年(1862)
【解説】
<4>中村芝翫扮する石川五右衛門を描いた作品。この作品は実際の舞台に取材したものではないが、中村芝翫が五右衛門役を度々演じているために制作されたものと思われる。羽子板の形式を借りて、五右衛門を描いた面白い趣向の作品である。

石川五右衛門
N34
いしかわごえもん    なかむらうたえもん  たいりょうひさよし  おのえきくごろう
石川五右衛門 中村歌右衛門 大領久吉 尾上菊五郎


大判錦絵 2枚続
絵師:歌川国貞
版元:鶴屋喜右衛門
年代:天保9年(1838)
【解説】
天保9年に江戸中村座で上演された「楼門詠千本」の役者絵。南禅寺の山門で石川五右衛門と、巡礼姿に変装した真柴久吉(豊臣秀吉)が対面する有名な場面を描いたもの。五右衛門を演じる<4>中村歌右衛門、久吉を演じる<3>尾上菊五郎は、共に当時を代表する歌舞伎役者である。

石川五右衛門
N35
いしかわごえもん   ごてんば
石川五右衛門 御殿場
「石川五右衛門 市川小団次」「右近 市川小半次」「左近 市川米五良」


大判錦絵 1枚
絵師:歌川芳艶
版元:海老屋林之助
年代:文久元年(1861)
【解説】
文久元年に江戸守田座で上演された「増補双級巴」の役者絵。公家姿で足利家の屋敷に乗り込んだ石川五右衛門がその正体を見破られ、忍術を使って退散する場面を描いたもの。現在でもこの場面を上演する際には、宙乗りの演出が用いられる。

石川五右衛門
N36
いしかわごえもんほばく      ず
 [石川五右衛門捕縛の図]
  「石川五右衛門 市川小団次」「早野弥藤治 中村福助」「岩城藤馬 市川市蔵」「岩城兵部 中村鶴蔵」


大判錦絵 3枚続
絵師:歌川国明
版元:木屋宗次郎
年代:文久元年(1861)
【解説】
N35と同様に「増補双級巴」に取材した役者絵。藤の森神社での石川五右衛門と捕手との立ち廻りの場面を描く。

石川五右衛門
N37
いしかわごえもんかまい        ず
[石川五右衛門釜煎りの図]
「逸弥藤次」「岩木当馬」「星合伴蔵」「石川五右衛門」「一子五郎市」「岩木兵部」「祇おんのおりつ」


大判錦絵 3枚続
絵師:<3>歌川豊国
版元:恵比須屋庄七
年代:嘉永4年(1851)
【解説】
嘉永4年に江戸中村座で上演された「木下曽我恵☆路」の役者絵。釜煎りの場面を描いたもので、息子をかばってその体を抱え上げている五右衛門の姿を描く。なお書籍の56・57は、この芝居の内容をそのまま出版したものである。

石川五右衛門
N38
ちごすてわかまるのちにいしかわごえもん     ぎおん             
児捨若丸後ニ石川五右衛門 祇園のおりつ


大判錦絵 1枚
絵師:<3>歌川豊国
版元:恵比須屋庄七
年代:安政2年(1855)
【解説】
安政2年に江戸市村座で上演された「木下蔭☆伊達染」の役者絵。この芝居では、武智光秀(明智光秀)の遺子捨若丸が成長後、石川五右衛門と名乗る趣向が取り入れられた。なお糸井文庫には、本作の一部分を変えた作品も所蔵されている。

石川五右衛門
N39
もどりかごじょうるり
戻籠浄瑠理
「難波の治郎作実ハ石川五右衛門 中村芝翫」「禿たより 沢村納升」「東の与四郎実ハ真柴久吉 坂東彦三郎」「常磐津文字兵衛」「常磐津加賀太夫」「常磐津国太夫」「常磐津喜代太夫」「常磐津吾妻太夫」「常磐津小文字太夫」


大判錦絵 3枚続
絵師:歌川国周
版元:未詳
年代:明治6年(1873)
【解説】
明治6年に東京の守田座で上演された所作事「戻駕色相肩」の役者絵。この作品は、駕籠舁きに変装した石川五右衛門と真柴久吉が、東西の廓自慢をする内に互いの正体を悟る舞踊である。役者の後ろに描かれているのは、歌舞伎の伴奏音楽の一つである常磐津を演奏する人々。

石川五右衛門
N40
ほんちょうぎとうくらべ
本朝義盗競
「熊坂長範」「袴垂保輔」「石川五右エ門」「滝夜叉姫」「尾形児雷也」「天竺徳兵衛」「大友若菜姫」「日本駄左エ門」「毛剃九右エ門」「鬼神於松」「神刀徳治」「大蛇丸」「尾形綱手」「紫紐丹左衛門」「白井権八」「雲霧仁左衛門」「稲葉小僧」「蛸伊平」「壬生小猿」「火柱夜叉」「南郷力丸」


大判錦絵 3枚続
絵師:歌川芳年
版元:伊勢屋喜三郎
年代:慶応元年(1865)
【解説】
当時の庶民に馴染み深い、盗賊や妖術使いを一同に並べたもの。五右衛門は中央に公家の姿で葛籠を背負って描かれている。