001 実話東雲烏        hay02-0066

@半紙本 5巻5冊 浮世草子 A21.7×15.0 B麗白主人作 C菊屋安兵衛 D安永8年(1779) 
E浮世草子とは娯楽性に徹し、当世の風俗や人情を描いた町人文学である。本書は浮世草子の最末期作品。

002 傾城播磨石       hay06-0001

@横本 6巻6冊 浮世草子 A12.5×18.3 B未詳C柏屋勘右衛門 D宝永4年(1707) 
E赤穂義士の仇討ちを遊女の仇討ちに置き換えた作品。最終章「上らう勢ぞろえ」では、南禅寺前の豆腐屋で討ち入りの準備をした遊女達が、敵の館に討ち入り、見事に敵の首を取って本望をとげる。

003 鹿の巻筆          hay02-0063

@半紙本 5巻5冊 噺本 A22.2×15.8 B鹿野武左衛門作 古山師重画 C未詳 D貞享3年(1686)
E本書は座敷仕方咄の第一人者であった鹿野武左衛門の代表作。元禄六年の江戸にソロリコロリという悪病が流行した時、本書巻三の第三話「堺町馬のかほみせ」からヒントを得た者が人語を発した馬の流言を流して大儲けをした事件が起きた。このため本書の板木は焼却され、作者武左衛門も伊豆大島に流刑となっている。

004 風流花街雀         hay03-0687

@中本 1巻1冊 狂歌 A18.5×12.5 B近松春屋軒纎月まぬけ庵蝶々子編 真葛家未の広丸彩霞画 C未詳 D文政9年(1826) 
E本書所収の約200種の狂歌は全て花街に取材したもので、詠者には蜀山人の名前もみられる。林美一氏考証では、本書を西村定雅作画の稿本とする。

005 一日千里          hay03-0670

@中本 1巻1冊 狂歌 A18.8×12.8 B<2>烏亭焉馬編 C未詳 D天保6年(1835) 
E本書は多才な才能で広く活躍した初代烏亭焉馬(文政5年没)の十三回忌追善のための配り本と思われる。当時の各界著名人が名を連ねており、初代焉馬の交友関係の広さが伺える。

006 [二世焉馬襲名披露配り本] hay03-0671

@中本 1巻1冊 狂歌 A18.1×12.5 B<2>烏亭焉馬編 C未詳 D未詳(文政11年ヵ) 
E本書は「猿猴坊月成」として多数の艶本を残す編者が二代目焉馬を襲名した時の配り本と思われる。本書に賀詞を寄せている者は全て狂歌関係者であり、馬の絵を描いているのは月癡老人為一[葛飾北斎]である。


007 北廓故実内所図会     hay03-0673

@中本 1巻1冊 洒落本 A18.3×13.0 B小金厚丸作 山東京伝画 C未詳 D未詳(天明6年ヵ) 
E洒落本とは遊里を舞台にした戯作の一種である。本書の前半は絵入り本文で吉原の情景を見せ、後半は遊里での遊びを説いた跋文で構成されている。本書は『噺之画有多』(南陀加紫蘭作、北尾政演[山東京伝]画、寛永9年)の改題改竄本。

008 青楼昼之世界錦之裏    hay04-0001

@小本 1巻1冊 洒落本 A15.7×10.5 B山東京伝作画 C蔦屋重三郎 D寛政3年(1791) 
E吉原の夜の華やかさを錦の表、昼の情景を錦の裏に見立て、時間を追いながら昼間の遊女の日常生活を描いた作品。本書は寛政改革により絶版となった京伝作の洒落本三部作の一つであり、作者自身もこの時手鎖五十日の刑に処せられている。

009 青柳新話/玉櫛笥 一名女浮世床   hay03-0672

@中本 1巻1冊 滑稽本 A18.0×12.0 B<2>南仙楚満人[為永春水]作 春斎英笑画 C西村与八鶴屋喜右衛門 D文政9年(1826) 
E男髪結床を描いた式亭三馬作の滑稽本『浮世床』に対して、本書は女髪結を描いた作品。刊記に「本丁庵三馬原稿」とあるが、作者は後に人情本作者として著名になる為永春水であり、そのためか本書の内容も人情本風な作品となっている。

010 和蘭影絵/於都里綺     hay03-0674

@中本 1巻1冊 滑稽本 A18.8×12.9 B十返舎一九作 喜多川月麿画 C村田屋次郎兵衛 D文化7年(1810) 
E本書の内容はオランダ影絵と称された覗機関に着想した影絵見立尽しである。各丁の表に影絵と解説や会話文、裏にはその影絵の作り方の解説がある。また、巻末には版元の名を借りた一九が、「背高メ 名伍郎八 渾名反歯」と自分自身の事を記した記事が見られる。

011 福鼠尻尾太棹        hay02-0062

@半紙本 2巻2冊 彩色絵本 A21.4×15.4 B桜川慈悲成作 歌川豊広画 C近江屋与兵衛 D文化元年(1804) 
E鼠の嫁入を題材とした絵本で、内容は登場人物を鼠に置き換えている。内容は「忠次郎」と恋仲の「廿日姫」に「岩見銀左衛門」が横恋慕し、恋路の邪魔をするというもの。本書は売出しの五ヶ月後、北町奉行所から彩色板を絶板とし墨摺のものだけを販売するように命じられている。

012 貞孝節義/出世娘     hay03-0683

@中本 3編9巻9冊 人情本 A18.4×12.2 B為永春水作 歌川国直画 C未詳 D天保6年(1835)〜天保7年(1836) 
E三編の刊年は未詳(天保11・12年ヵ)。『絵本太閤記』の世界をパロディー化して、深川の芸者衆の世界に置換えた作品。登場人物の名も「太閤記」の人物に音を似せ、延仲、藤吉といった芸者が活躍する。

013 安政風聞集      hay01-0003

@大本 3巻3冊 見聞記 A25.0×16.9 B金屯道人[仮名垣魯文]作 C此君亭 D安政4年(1857) 
E本書は安政3年10月に江戸を襲った台風と水害の記録。上巻には洪水後箪笥の引き出しを開けると鯛が飛び出したという見開き図があり、それを開くと暴風雨下の災害図になる。

014 三題楽話/作者評判記 当時流行物見立  hay04-0002

@横本 1巻1冊 評判記 A15.0×10.6 B春廼屋幾久編 C未詳 D文久3年(1863) 
E三題噺の素人落語家を役者評判記形式で格付と評判を記した作品で、目録には当時流行した事物が各人に見立として付けられている。三題噺とは文化元年(1804)に落語家の三笑亭可楽が始めたもので一時途絶えていたが、幕末期に通人・粋人の間で大流行した。

015 歳盛記       hay03-0675

@中本 1巻1冊 細見 A17.5×11.5 B風鈴山人[仮名垣魯文]作 C玉家如山 D慶応元年(1865) 
E本書は「吉原細見」になぞらえて、流行の事物や商店、人物等を遊女の階級に振りあて格付けしたもの。同趣向の流行細見は明治期に入ってからもつくられている。