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mitate
仮名手本忠臣蔵
大序から四段目
大序
暦応元年(1338)二月下旬のこと。将軍足利尊氏の名代・足利直義は、先ごろ戦死した新田義貞の兜を鶴岡八幡宮に奉納することを命じる。だが、兜の奉納の是非をめぐり、執権職の高師直と桃井若狭之助とが対立してしまう。そこで、塩冶判官が仲裁に入り、ひとまず義貞の兜を奉納することに落着く。しかし、義貞の兜を知るものは少なく、その兜を知る塩冶判官の妻の顔世御前が、鑑定役として呼び出される。顔世御前は、無事に義貞の兜を見出し、兜は八幡宮に奉納される。
大役を終え、退出しようとする顔世御前に、高師直は恋文を渡し、顔世を口説く。そこへ若狭之助が現われ、顔世の窮地を救うが、かえって師直の怒りを買う。短気な若狭之助は、師直を切ろうとするが、直義還御の知らせを聞き、その場は思いとどまるのであった。
忠臣蔵 大序
大判錦絵横絵1枚
歌川広重
天保14年〜弘化3年(1843〜1846)
UP1173
忠臣蔵上之巻
高師直(3)嵐吉三郎
かほよ(1)荻野扇女
中判錦絵2枚続
六花園芳雪
元治元年(1864)9月中の芝居
UP1114 UP1115
二段目
大星力弥が塩冶家の使者として、翌朝の登城の時刻を知らせに、桃井若狭之助の館へやってくる。桃井家の家老加古川本蔵の妻・戸無瀬は、力弥が娘小浪の許婚であることから、気を利かせて小浪と力弥を二人きりにさせる。
そこへ奥から若狭之助が現れ、力弥からの口上を聞き終えると、本蔵一人残し、鶴岡八幡宮での遺恨から、師直を討つ決意であることを語り聞かせる。本蔵は、庭の松を切って主人の考えに同意するふりして、主人を守るために密かに金品を準備して師直のところへ急ぐ。
仮名手本忠臣蔵 第二段目
桃之井若狭之輔(2)片岡我童
加古川本蔵(1)坂東亀蔵
大判錦絵1枚
歌川国明
文久2年(1862)3月中村座
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三段目
足利家の館に入る前に、加古川本蔵から莫大な賄賂を受け取った高師直は、桃井若狭之助に対する態度を改る。そこへ顔世御前から、師直の思いを断る文が届けられる。自らの思いが叶わぬと知った師直は、その腹いせに、顔世の夫の塩冶判官を散々に侮辱する。師直の悪口にたまりかねた判官は、師直に刃傷に及ぶが、後ろから様子を窺っていた本蔵に抱き留められて、止めを刺すことも出来ずに取り押さえられてしまう。
一方、塩冶判官の家老・早野勘平は、恋人のお軽と情事に耽っていたために、主人の大事に居合せず、慌てて館に戻ろうとするが、門は閉されていた。勘平は自分の行為を恥じてその場で切腹しようとするが、お軽に止められ、その場を立ち去ろうとする。そこへ、かねてからお軽に横恋慕していた師直の家来・鷺坂伴内が現われ、勘平へ襲い掛かるが、かえって勘平に追い払われるのであった。
忠雄義臣録 第三
大判錦絵横絵1枚
(3)歌川豊国
弘化4年〜嘉永元年(1847〜1848)
UP1304
仮名手本忠臣蔵 三段目
こし元おかる(3)沢村田之助
早野勘平(2)沢村訥升
鷺坂伴内(4)中村芝翫
大判錦絵3枚続
(2)歌川国貞
慶応2年(1866)8月中村座
UP1152 UP1153 UP1154
四段目
閉門の処置がとられた塩冶家の館へ上使がやって来て、塩冶判官に切腹の沙汰が下る。かねてから覚悟の判官は、死装束に身を改め、腹切刀を突き立る。その時、国許から家老の大星由良之助が駆けつけ、判官と最後の対面をする。由良之助に無念の思いを伝えた判官は、安心して息を引き取るのであった。
その後、由良之助は、家臣らとともに善後策について評議し、屋敷を明け渡す。館を後にした由良之助は、判官の腹切刀を手にして敵討の決意を固め、その場を去っていく。
[仮名手本忠臣蔵 四段目]
石堂右馬之丞(5)坂東彦三郎
ゑん谷判官(2)沢村訥升
大星由良之助(2)片岡我童
大星力弥(3)沢村田之助
大判錦絵3枚続
(3)歌川豊国
文久2年(1862)3月中村座
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